正しいのはどっち?お客様が「お越しになる」「参られる」
本記事では、敬語クイズを出題していきます。
お客様が「来る」際、あなたはなんと言いますか?
正しいのはどっち?
尊敬表現として度々「〜れる」「〜られる」は用いられますが、「来る」の尊敬語と謙譲語の表現に要注意です。
正解は…
「お越しになる」です。
まず「来る」の敬語表現をおさらいしましょう。
- 尊敬語 お見えになる・見える・いらっしゃる
- 謙譲語 参る
- 丁寧語 来ます
「お越しになる」は、相手に敬意を表す尊敬語です。先で紹介した「来る」の尊敬語表現を用いて、「お見えになる」「おいでになる」「いらっしゃる」と言い換えることもできます。
一方「参られる」は、「来る」の謙譲語の「参る」と尊敬語の助動詞「〜れる」が合わさった二重敬語。「〜れる」により、尊敬語「っぽい」表現になっていますが、そもそも「参る」は自分の行為をへりくだって表現する謙譲語。よってお客様に対する表現としては不適切です。
「参る」を使う際、敬語に慣れていないと混乱しやすいのは「身内の行動を表す時」。ビジネスシーンでは、社外の人と話す時、社内の人は立場が上でも身内扱いになります。取引先と話す際は、上司の行動に謙譲語を用います。
例)主任の〇〇が御社にご挨拶に参りました。
もちろん社内の人同士のやりとりでは、主任(立場が上の人)に対して尊敬語を用いてくださいね!
なお、「お越しになられる」や「お見えになられます」とは言わないよう注意しましょう。「お越しになる」に「〜られる」を付け加えてしまうと、先で紹介した「参られる」同様、二重敬語になってしまいます。
二重敬語を防止のため、尊敬語の基本形「ご(お)〜になる」を覚えておくことをおすすめします。
参考文献:本郷陽二『大人の語彙力 敬語トレーニング100』(2018年、日本経済新聞出版社)
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