「更年期の加齢臭」でノイローゼ寸前の49歳。2つの漢方で解決するまでの紆余曲折
「最近、口臭が強い気がする」
「大量の汗をかくせいか体臭が気になる」
など、40~50代になり、臭いの悩みをお持ちではありませんか?
日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。
この時期は、ホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いです。
更年期女性のお悩みのひとつに加齢臭があります。
加齢臭というと男性のイメージがあるかもしれませんが、中年以降の男女にみられる特有の体臭の俗称で、女性にも多くみられます。
今回は、更年期の口臭や体臭の改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
更年期の歩き方(16)
女子高生に笑われた「トイレのオバサン臭事件」
りえこさん(49歳)は最近、ショッキングなできごとに見舞われました。
駅前のデパートでトイレを利用し、鏡の前で身だしなみを整えていたときのこと。
「私が利用した個室トイレに10代くらいの若い女性が入ったと思ったら、『やだ~、ここすごいオバサン臭がする~!』と隣の個室の友人に笑いながら叫んだんです。私のことだ!と気がついた瞬間、身体がすっと冷たくなり、意識が遠くなるようなショックを受けました」
まさか、私の臭いをオバサン臭と言われるだなんて。
日ごろからファッションや美容には気をつかってきたりえこさんですが、臭いまでは意識しなかったそうです。
「言われてみれば、毎日使うストールから、今まで感じなかったモワっとしたおじさんのような臭いがします。これが若い人たちが言うオバサン臭なんでしょうか? 私、まだ50歳にもならないのに、もう臭いがきついオバサンだなんて……」
やればやるほど臭くなる…?出口の見えないニオイ対策
この事件をきっかけに、りえこさんの頭はオバサン臭のことでいっぱいになりました。「私だけがこんなに臭いんだ」とノイローゼ気味に。毎日、頭から足の先まできれいに洗い、数時間おきにマウスウオッシュでうがい、洗剤も香りにこだわって選ぶなど、できる限り気をつけていたそうです。
でも、対策すればするほど、ストールや洋服だけでなく、頭や口やからだ全身からも臭いが漂うように感じます。「どうしよう、私だけがどんどん臭くなる……?」出口の見えない悩みに気が滅入る毎日でした。
ある日、このオバサン臭の悩みを少しでも軽くするために、行きつけの美容院で頭皮ケアもしてもらうことにしました。
「担当の女性美容師さんは私よりも年上の50代後半の方。ここのところ体臭が変わって気にしていると相談してみたら、『女性の加齢臭はよく聞く悩みだし、あなただけじゃないよ』と励されました」
加齢臭というと、オジサン特有のものだと思っていましたが、臭うのは自分だけじゃないと知って少しほっとしたそうです。
もしかしてこのオバサン臭、更年期の一部かも?
この美容師さんから、「更年期対策の漢方で体臭や口臭も軽減した人がいた」という話を聞いて、りえこさんははっとしたそうです。
閉経こそしていないものの、最近のりえこさんは生理もきたりこなかったりと不順。また、暑くもないのに大量の汗をかく、ほてるという更年期特有の体調変化も感じていました。
とくに、臭いが気になりだしてから、イライラや不眠にも悩まされていたのです。
「もしかしたら、私のニオイも更年期が原因なのかも……? ということは、私も漢方で改善するかもしれない。そう考えたら、大げさですが、出口の見えないトンネルに一条の光が差し込んだようでした」
さっそくりえこさんは漢方クリニックを探して受診してみることにしました。
ニオイの悩みって、わざわざ医師に相談していいの?迷った末に得た対策は…
漢方クリニックでは、臭い以外にも、ほてり・のぼせ・急な汗・イライラなどに悩んでいることを相談したそうです。
「最後まで迷ったのは、医師に向かって加齢臭の相談をしていいものかどうか。ニオイは病気ではありません!なんて怒られたら立ち直れないと本当に悩みました。でも、診察室で迎えてくれたのは気さくで話しやすい女医さん。しっかりと悩みを聞いてもらえたんです」
問診のかっけ、医師には、気になる臭いも含めて、乱れたからだのバランスを整えていきましょうと言われました。処方されたのは、加味逍遙散(かみしょうようさん)と黄連解毒湯(おうれんげどくとう)の2つの漢方薬。
1度に2種類も漢方薬を飲むの?とりえこさんは驚きましたが、とりあえず飲み始めることに。朝夕の1日2回の服用でよいので飲み忘れもなく続けられたそうです。
飲み始めて2週間くらいで、まずイライラやほてりが軽減しました。そして、漢方の服用を続けて3か月後には以前ほど臭いも気にならなくなったそうです。
「正直、ニオイの問題だなんて、病院で診てもらうほどでもないかな?と思っていました。でも、きつい香水でごまかすと周囲にも迷惑ですよね。もし私があのまま漢方という選択肢を知らなかったら、病院を受診することもなく、ずっと加齢臭に悩んでいたんででしょうね。本物のノイローゼになったと思います。心底ゾッとします」
もう一つ、漢方を飲んでいた方が全体的な体調がよいことにも気づきました。ニオイが気にならなくなった今でも加味逍遙散だけを続けているそうです。
ホルモン変化に伴って起きる「4つのニオイ問題」とは?
更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。40歳後半から50歳代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつのエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。
これをきっかけに起きる主なニオイトラブルは以下の4つ。
1・加齢臭
エストロゲンには皮脂の過剰分泌や酸化を抑えるはたらきがあります。そのため、エストロゲンの減少により、相対的に男性ホルモンのはたらきが活発になるため、皮脂の分泌や酸化が促進されて加齢臭を生じます。
2・ホットフラッシュの汗臭
また、ホルモンバランスの乱れは、更年期の不調のひとつ、ホットフラッシュも引き起こします。ホットフラッシュでは脇や首など上半身に大量の汗をかくため、体臭の原因となります。
3・デリケートゾーンのニオイ
さらに、エストロゲンの減少は、膣の自浄作用を弱めて雑菌を増やすため、デリケートゾーンの臭いを生じると考えられています。
4・口臭
また、ホルモンバランスの乱れは唾液の量を調節している自律神経を不安定な状態にして口の乾燥を引き起こし口臭の原因となります。
更年期のニオイ問題に対策できる3つの漢方とは?
漢方薬は医薬品として不調の改善と本格的な体質改善を目的としており、効果も認められています。
「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」
「加齢臭が起きにくい体質になりたい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
更年期の加齢臭の改善には、以下の漢方が使われることがあります。
<更年期の加齢臭におすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラやホットフラッシュも気になる方に。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう):のぼせや不眠、高血圧も気になる方に。
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):多汗やむくみも気になる方に。
漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。
うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。
「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
更年期の加齢臭の悩みは解決できる!
「最近、口臭が強い気がする」
「大量の汗をかくせいか自分の体臭が気になる」
もしかしたら、あなたを悩ませる加齢臭は、更年期が原因かもしれません。
我慢せずに専門家に相談してみませんか?
漢方でからだの内側からバランスを整えて、更年期も元気な笑顔で過ごしていきましょう。
執筆/あんしん漢方 薬剤師 清水 みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。
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