「むしむしになる」ではありません。「螻蛄になる」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「螻蛄になる」です。
「螻蛄になる」の読み方は?
部首が「虫(むしへん)」の漢字は、爬虫類や小動物を表すこともありますが、主に昆虫を表すことが多いため、「『螻蛄』が何かの虫を指している」ところまで推測できた人は少なくないはず。とはいえ、「螻」も「蛄」も日常生活であまり見かけない漢字のため、なんと読むのか、何を指すのか、分からず戸惑った人も多いのでは?
まずは正解を見てみましょう。
正解は……
「おけらになる」です。
「螻蛄になる」とは
すっからかんの無一文になること。
出典元:日本語倶楽部編『読めないと恥ずかしい漢字1500』(河出書房新社、2006年)
を意味します。
「螻蛄」は「おけら」または「けら」と読み、ケラ科の昆虫を指します。体長3センチメートルほどの地中に棲む虫で、特徴は土を掘るのに適した大きな前足です。
ではなぜ、その昆虫が無一文な状態を表すのでしょうか。
「螻蛄」は前から見ると、特徴的な前足が万歳するかのように広がって見えます。その姿が降参しているように見えることから、お金がなくてお手上げ状態になった人を「螻蛄」に見立てて、「螻蛄になる」になりました。
類語表現「すかんぴん」とは
「螻蛄になる」の類語表現に「すかんぴん」があります。他の類語表現「一文無し」や「無一文」はなんとなく漢字から意味を読み取ることができますが、「すかんぴん」はひらがなで表されることが多く、何を表しているのかパッと思い浮かびませんでした。
調べてみたところ「すかんぴん」は漢字で「素寒貧」と表されます。
素寒貧は
貧乏で何も持たないこと。まったく金がないこと。また、そういう人や、そのさま。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。
読めそうで読めない漢字に困惑することも多々ありますが、「すかんぴん」のように、漢字に変換することで意味が読み取りやすくなる言葉もあるんですね。
参考文献
- 日本語倶楽部編『読めないと恥ずかしい漢字1500』(河出書房新社、2006年)
- 螻蛄になる|ルーツでなるほど慣用句辞典|情報・知識&オピニオン imidas
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