更年期の口臭、家族に指摘され…絶望から立ち直れた漢方って?
「最近、口臭が気になる」
「口の中が乾燥してネバネバする」など、40~50代になり、こんなお口の悩みを抱えていませんか?
日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。
この時期は、ホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いです。
更年期女性のお悩みのひとつにドライマウス(口腔内乾燥症)があります。
ドライマウスが続くと、口の乾燥だけでなく口臭や口のねばつきなどが生じることが多くなります。
今回は、更年期のドライマウスや口臭の改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
更年期の歩き方(19)
最近、口や喉が渇いてしょうがないと思っていたら…
ゆかさん(48歳)には誰にも相談できない悩みがありました。
「最近、やたらと口や喉が乾くんです。はじめは空気の乾燥のせいかと思っていたのですが、乾燥するのは家族の中で私だけなので、環境的には問題ないようです。
こまめにお水を飲んで水分補給していますが、全く潤う感じがありません。しかも、口の中が四六時中ネバネバとしてすごく気持ちが悪くて…」
なんだかおかしいと感じていたゆかさんに、さらに追い打ちをかける出来事が起きたそうです。
「いつも主人に『口が臭い』と言っていた高校2年生の娘から『最近、お母さんも口の臭いがきついよね』と言われてしまったんです。自分でも口の乾きやねばつきを感じていただけにかなりショックでした。
さらに『今はお父さんよりもお母さんの口の方が臭い』と指摘されて、すっかり落ち込んでしまいました。いつの間にか、口や喉の乾燥だけでなく口臭までもきつくなっていたなんて……。それ以来、家族の近くでも大きく口をあけて笑ったり話したりすることができなくなってしまいました」
一生懸命ケアしても口臭がなくならない
口臭を指摘されて以来、さまざまな歯ブラシや歯磨き粉、デンタルフロスなどを買っては試しました。水分補給とともにマウスウォッシュでも、こまめにうがいもしています。
「できるかぎりの口臭ケアを念入りに毎日続けても、口の乾きやねばつき、臭いはほとんど改善しません。口臭サプリやタブレットも試しましたが、効果なしでした……」
健康雑誌やネットで調べたあらゆる口臭ケアを試しても、効果を実感できなかったゆかさん。
歯が痛いわけではないので歯科を受診するのもはばかられ、お手上げ状態になって困ってしまったそうです。
口臭のことばかり考えているせいか、気分も沈みがちとなり、家族の雰囲気も暗くなってきてしまったとのことでした。
今のケアではダメ?口臭の原因から根本的に改善!
やがて、口臭のせいで精神的に落ち込んでしまいました。それを心配した娘さんがネットでいろいろと調べてくれました。
「そして、『お母さん、口が乾くっていつも言っているよね?更年期の症状にドライマウスがあるらしいよ。もしかしたら、口臭もそれが原因なんじゃない?』と教えてくれたんです」
確かに、この1年くらい生理がきたりこなかったりと不順ですし、手足のほてりやのぼせを感じることが増えました。
口の乾燥や口臭に悩みながらもずっと何科を受診したらよいかわからず困っていたのですが、更年期が原因の可能性があるならばと、婦人科を受診してみることに。
受診した婦人科の医師は、たまたま漢方に詳しい先生でした。
ゆかさんが口の乾きや口臭に加えてのぼせ感もあることなどを相談したところ、「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」という漢方薬を処方されたそうです。
六味地黄丸は、からだに必要な津液(しんえき)を補う漢方薬で、からだを潤すはたらきで口の乾燥の改善が期待できます。手足のほてりやのぼせにもよく使われます。
「婦人科の先生がとてもやさしい雰囲気の方で、じっくり私の話を聞いてくださったので、それだけでも救われた気持ちになりました」
やはり、更年期のドライマウスが口臭の原因だろうとのことで、漢方治療をすすめられました。もともと漢方治療を希望していたわけではなかったのですが、悩みが解説するなら方法はなんでもよかったので、先生のおっしゃる通りに漢方薬を試してみることに。
初めての漢方薬でしたが、意外と抵抗なく飲むことができたというゆかさん。
「しかも、漢方薬を飲むと気持ちが落ち着いて、からだが楽になる気がしました。不思議ですね。
飲み始めて1か月ほどたった頃でしょうか、あんなに悩んでいた口の乾燥がだんだん気にならなくなってきたことに気づきました。
娘からも『そういえば、最近、お母さんから口の臭いがしなくなったね』と言われた時は、思わずガッツポーズしてしまいました!」
わざと娘さんに息を吐いて、口臭を確かめてもらっては、二人で大笑いしました。
「口臭の件ですっかり元気がなくなった私を娘も心配していたので、自分のことのように喜んでくれました。解決の糸口をつくってくれた娘にも感謝ですね」
漢方薬のおかげで口の乾燥や臭いだけでなく、のぼせや手足のほてり感も改善してからだの調子もよくなったと、ゆかさんは明るい笑顔でお話してくださいました。
更年期のドライマウスや口臭の原因は女性ホルモンの減少
更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。
40歳後半から50歳代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。
このホルモンバランスの乱れが唾液の量を調節している自律神経を不安定な状態にするため、唾液の調整が乱れて口の乾燥が生じやすくなります。
また、エストロゲンには皮膚や粘膜の潤いを保つ働きがあるので、エストロゲンが減少すると口内も乾燥しやすくなります。
こうして唾液の量が減り口が乾燥すると、口臭や口の中のねばつきを引き起こしやすくなります。
ドライマウスや口臭の悩みには漢方薬を試してみて!
漢方薬は自然の生薬から作られていて、不調や体質の根本的な改善に効果が認められています。
「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」
「口臭が生じにくい体質になりたい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方は心と体のお悩みを、からだの内側から根本改善することを目的としています。
自然の生薬で作られた漢方薬は毎日のむだけで、からだにやさしく作用し、理想の健康をめざせます。
更年期のドライマウスによる口臭の改善には、以下の漢方薬が使われることがあります。
<更年期のドライマウスによる口臭におすすめの漢方薬>
・麦門冬湯(ばくもんどうとう):胃腸や呼吸器が弱く、喉の乾燥も気になる方に。
・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう):口や喉の乾燥とともに、熱っぽさやほてりも感じる方に。
・五苓散(ごれいさん):口の乾燥やむくみも気になる方に。
漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。
うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。
「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。
相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
更年期のドライマウスや口臭の悩みは解決できる!
「最近、自分の口臭が気になる」
「口の中がネバネバして不快に感じる」
もしかしたら、あなたを悩ませる口臭は、更年期のドライマウスが原因かもしれません。
我慢せずに専門家に相談してみませんか?
漢方でからだの内側からバランスを整えて、更年期も元気な笑顔で過ごしていきましょう。
執筆/あんしん漢方 薬剤師 清水 みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。
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