ただの肩こりだと甘く見ないで!「危険な病気」が潜んでいるかも?意外な原因は
「最近、肩が重たくてコリや張りがひどい」
「肩や首がこり過ぎて頭痛までする」。40~50代になり、こんな悩みがありませんか?
日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。
この時期は、ホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いです。
更年期女性のお悩みのひとつに肩こりがあります。
今回は、更年期の肩こりの改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
更年期の歩き方(21)
在宅ワークでPCを駆使する人たちに「共通する悩み」って?
「もともと若い頃から肩こりはあったのですが、最近さらに肩のはりや痛みがひどくなってつらいです」
そう訴えるのは、ゆかりさん(48歳)。
パソコンでデータを入力する在宅ワークをしているのですが、午前中ずっと集中して仕事をしたら、ものすごく肩がはって触っても感覚がないくらいガチガチに硬くなってしまうそうです。
「動かすとゴキゴキと音が出るほどです。仕事の合間に肩回しなどのストレッチもしていますがあまり効果はありません」
肩こりがひどい日はご主人や中学生の娘さんにマッサージをしてもらって凌いでいたそうです。
その肩こりヤバいかも?テレビの健康番組で衝撃的な警告が…
そんなある日、テレビの健康番組で知った衝撃的な事実に、家族が大騒ぎになりました。
「たかが肩こりと甘くみてはいけない、狭心症や心筋梗塞の可能性がある危険な肩こりもある。医師がそう発言したんです。言葉を失ってしまいました。実は最近、血圧も高めで……」
ゆかりさんのひどい肩こりを知っている家族は、「もしかしてお母さんの肩こりもこの病気が原因なんじゃないの?」と言い出し、大騒ぎになってしまったそう。
何科に行けばいいの……?循環器内科で精密検査。結果は
ゆかりさんを心配したご主人と娘さんは「お母さんも早く病院で検査しないと!」とパニック。テレビを見た次の日、すぐに循環器内科の診察を予約したそうです。
「主人も娘もかなりの心配性で……整形外科ならともかく、ただの肩こりで循環器内科を受診するのは大袈裟じゃないかと自分は抵抗があったんです。でも、家族の強い勧めもあり、レントゲンや心電図など一通りの検査を受けました」
検査から2週間後、結果を聞きに病院に行くと、医師からは「検査ではとくに異常はありません」とまずひと言。
狭心症や心筋梗塞とは関係なくてホッと一安心しました。
と同時に疑問が残ったので医師に聞きました。
「どこも悪くないなら、いったいこのひどい肩こりの原因は何ですか?って」
医師が告げた驚きの一言「その肩こりは更年期が原因でしょう」
医師の答えは意外なものでした。
「先日の問診の内容からして、更年期からくる肩こりでしょう」。
更年期? 目まいやホットフラッシュではなく、この肩こりが更年期?
ゆかりさんは驚きましたが、一方、うっすらと納得したとも言います。
「まだ生理はありますが、そういえばここ半年ほどで生理周期が乱れるようになってきました。更年期が原因で肩こりが悪化するとは考えもしませんでしたが、年齢的にも更年期世代なんですよね、私は」
この医師がたまたま漢方にも詳しかったので「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」という漢方薬が処方されました。
桂枝茯苓丸は、滞った血の滞りを解消し血行をよくして肩こりを改善する漢方薬です。
初めての漢方薬でしたが、シナモンの味がして美味しく飲むことができました。
「飲み始めて1か月くらいで、つらかった肩の痛みが軽減してきました。しかも、気になっていた血圧も正常になってきたんです。今では漢方薬を飲んでいた方が体調がよいのでコツコツ続けています」
これらは漢方が体質に合った人からよく挙がる声ですが、漢方はじわじわ時間をかけて「ふと気がついたら」改善しています。2ヶ月、3ヶ月たって、ふと振り返ると「そういえば症状がなくなっている?」。ゆかりさんも同様でした。
「ふと気がつくと、パソコンで長時間仕事をしても前ほど肩がこることがなくて!家族も安心しています」
更年期の肩こりの原因は女性ホルモンの減少
更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。
40歳後半から50歳代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。
このホルモンバランスの乱れにより自律神経が不安定な状態になって血行不良になると、肩こりを引き起こしてしまいます。
また、首や肩を支える筋力の加齢による低下、目の疲れや老眼なども更年期の肩こりを悪化させる原因となります。
「鎮痛薬はできるだけ飲みたくない」
「肩こりから解放される体質になりたい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
<更年期の肩こりにおすすめの漢方薬>
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):頭痛や月経痛も気になる方に。
・大柴胡湯(だいさいことう):便秘や肥満も気になる方に。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷えやむくみも気になる方に。
漢方は何を飲むかではなく、「何があなたの性質に合うか」
漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。
うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、専門家に力を借りるのがおすすめです。
漢方に詳しい薬剤師がAI(人工知能)を活用し、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンライン個別相談)」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/専門家に相談してみてください。きっと改善します!
「肩がずっしり重くて毎日がつらい」
「肩や首のこりがひどくて頭痛や吐き気もする」
あなたを悩ませる肩こりの原因はもしかしたら更年期かもしれません。
鎮痛薬や湿布で我慢せずに、専門家に相談してみませんか?
漢方薬でからだの内側からバランスを整えて、更年期も元気な笑顔で過ごしていきましょう。
執筆/あんしん漢方 薬剤師 清水 みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。
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