「銭」との読み間違いに注意!「餞」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「餞」です。
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「餞」の読み方は?
私は一度、遠目で見るとよく似ていることから、「餞」を「銭」と読み間違えたことがあります……。もちろん「餞」の読みは「ぜに」ではありません。ただ、「餞」には「銭」と同じ「セン」という読みがあるため、「セン」は正解です。
では、「餞」の訓読みはなんと読むでしょうか。「餞」の読みはひらがな4文字で表すことができ、“旅立つ人へ贈り物をすること”や“別れの宴”を表します。
正解は……
「はなむけ」です。
「餞(はなむけ)」は
門出や送別のときに金品や詩歌・言葉などを贈ること。また、そのもの。せんべつ。
出典元:はなむけ|言葉|漢字ペディア
を意味します。「餞の言葉」など、聞いたことがあるのではないでしょうか。
「餞」の由来は「鼻向け」です。「馬の鼻向け」が略されたもので、これは旅立つ人の道中の無事を祈り、その人が乗る馬の「鼻」を目的地の方向に「向ける」という昔の日本の習慣からきています。ここから旅立つ人を祝い、金品などを贈ることを意味するようになりました。
原則、「餞」は別れの場面以外では使われない言葉なのですが、現代では結婚式や成人式といった別れとは関係ない場面で用いられる場面も。古い資料ではありますが『放送研究と調査』(1992年7月)によると、「社長が新入社員にはなむけのあいさつをした」という誤った表現を「おかしくない」と答えた人が半数を超えていた、とあります。
辞書や漢字や言葉に関する文献では「別れ以外の場面で用いられるのは誤り」と書かれていることが多い「餞」ですが、言葉というのは時代とともに変わりゆくもの。そのうち、いわゆる「別れ」以外にも用いられる言葉として定着するのかもしれません。
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参考文献
- はなむけ?|ことば(放送用語) – 最近気になる放送用語|NHK放送文化研究会
- <コトバ言葉>使い方広がる「はなむけ」:東京新聞 TOKYO Web
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