石田ゆり子「決断に迷わない」チャンスの捉え方とは?
俳優の竹野内豊さん、石田ゆり子さんが13日、都内で行われたWOWOWプライム/オンデマンド 連続ドラマW 東野圭吾 「さまよう刃」(5月15日スタート 毎週土曜夜10:00 全6話 ※第1話無料放送)の完成報告会見に出席しました。
自分の役より「娘を殺された親」の立場を考えた石田ゆり子さん
太陽を感じるこの季節らしい、イエロー系のワンピで登場した石田さん。共感するところはと問われ、自分の役である和佳子より、むしろ娘を殺された長峰さんの立場について語り始めました。
「自分が長峰さんだったらどうするんだろうと、撮影中ずっと考えていました。私はどうしても長峰さんを応援してしまう。応援というか、共感してしまいます」
法によって裁かれない凶悪な犯罪が自分の人生に関わってきたとき、どうするのか? 皆さんに考えていただきたい、と続けました。
竹野内さんとは15年ぶりの共演となった石田さん。同作の映画版では織部役を演じた竹野内さんが、ドラマ版の今回は長峰さん役を演じると聞いて驚いたそうです。
「うわあ、そうきたか!と思って。作品が重いのは重々わかっているのですが、エンタテイメントとしてそうきたか!と」
映画版よりも尺が長い分だけ緻密に描かれた人物像からは、繊細な痛みがひしひしと伝わってくる、それを見ていただきたいと語る石田さんに、竹野内さんは照れながらこう続けました。
「こういった内容の作品なので、すごく重たい、緊迫した撮影現場の日もあったのですが、でもゆり子さんが現場にいらっしゃると、男性スタッフの方々はみんななごむというか。明るくしてくださるので、私自身もこういう役を演じていてゆり子さんと現場の空気を共有することができて救われるところがありました」
もしも「凶悪な犯罪」が自分の人生に関わってきたら…どうする?
「もしも自分自身に長峰さんのようなことが起こったときに、自分ならどうするかなと深く考えさせられました」
と竹野内さん。大切な家族や友人が同じように惨く殺されたら、自分も同じような感情を持つのではないかと感じたそうです。
「あまり自分は役を引きずったりはしない。オンとオフの切り替えはきちんとできると思っているんですが、重たいシーンを撮ったあとは、家に帰っても2日くらいヘヴィな気持ちが抜けなくて。私生活でも苦しいときも正直ありましたね」
原作者・東野圭吾が込めたメッセージとは何だったのか?
原作の問いとは何だったのだろうか?そんな質問に、竹野内さんが口を開きます。
「原作から17年たった今でも、同じような問題がこの世間にある。それはとても感慨深いなと思います」
少年法に守られ、犯した罪の重さに見合わない判決が下されることは現実にもたびたび起きているが、本編を通してもその問題は提起されていると感じたそう。
石田さんが続けます。
「難しいテーマですよね。裁くのは法か人間かということだと思うんですけど、考えても考えても答えが出ない」。
石田さんの演じる和佳子は最後に、みんな人を殺したんですよね、人を殺めた人が3人いるんですよね、みんな人を殺したのに、裁かれる人と裁かれない人がいていいんでしょうかと語ります。
「言いながら、自分でも本当にそうだなと深く思いました。そのあたりが深いテーマだなと思います」
三浦さんの立場からはどう見えたのでしょうか?
「犯罪を犯した人、それを追っかける人が、いろいろな事情を抱えながら生きている。一つの面じゃなくて多角的な面から、自分だったら、あの人だったらどうなんだろうと考えてみてほしいというメッセージなんじゃないかなと」
片山監督は、少年犯罪は昔も今も同じように起きていることを指摘します。
「それを取り巻く環境が、簡単には誰の責任か問えない。社会が生み出したのか、その子自身の先天的なものなのか。すごく難しいところですよね。それに復讐する気持ちもすごくわかるし、しちゃだめだ、そんなことしてなにんになあるんだという気持ちもある」
石田ゆり子さん「チャンスの女神は前髪だけ」だから迷わない!
本作は、主人公・長峰のある決断からストーリーが展開します。最後に、キャスト・監督の皆さんが「決断に迷った」エピソードは?との質問が。竹野内さんが答えます。
「最近、アイスクリームのコマーシャルで、今日のアイス何にしようって悩む部長役とか、悩んで悩みまくって判決を出す裁判長の役をやらせていただいているせいで、悩む男というイメージがあると思うんです」
あります、あります。
「若いときは確かに、悩んで決断に一歩遅れてしまうこともあったと思うのですが、意外と直感タイプというか、感覚人間なので、問題解決にそんなに時間がかからないほうだと思っています。なるべく悩まないように。あ、でも悩んでませんよ?」
最後の意外な?弁明の言葉に続いて、石田さんも決断に迷わない姿を語り始めました。
「私もそんなに優柔不断じゃないんですよ。そんなにあれこれ悩まず、欲しいものは欲しいという感じなんです。悩んでいるうちに物事が複雑になると思うので」
なるほど、確かに!!
「チャンスの神様には前髪しかないという言葉があります。だから、はい決めます!と決めているつもりなんです」
三浦さんも同じく、それほど決断に悩まないそう。
「でも、かっこいい決断の仕方ではなく、どっちでもいいし、何でもいい、アイスで悩んだりしたら、どっちでもいいやって取っちゃう感じなんです。雑なほうです、こだわりがないです、何にも」
片山監督からは、なんと、小型犬を飼うかどうかで悩んでいるというかわいらしい答えが!
「ぼく、犬を飼ったことがないんですが、犬を飼うためには引っ越さなければならなくて、いろいろ用意しないとならないものがあるじゃないですか。めんどうだな、でも犬かわいいなと、それが悩みですね」
石田さんからは「飼ってください」とのコメントが。
「犯罪とは何か、人とは何か」を考えるきっかけとなる作品
WOWOWだからチャレンジできたこともあるという本作。最後に、ひとあし先に試写を見た竹野内さんからメッセージが。
「今までのテレビドラマの定石というか、概念を覆してしまうんじゃないかなと。いろいろな意味で衝撃的な作品でもありました。本作の衝撃的なシーンを見たとき、目をそむけたくなる人もいると思いますが、決してむごいシーンをみせつけるためだけに本作を作ったわけではないことはご理解いただきたい」
少年法の問題、被害者加害者、家族の思い、警察、マスコミのあり方……いろいろなことが絡み合う問題作です。
「ご覧いただければ、一人ずつ何かを感じていただける作品に片山監督が仕上げてくださっているので、ご期待ください」
【ストーリー】
社会や法律、すべてを敵に回してでも家族のために復讐を果たす……。長峰重樹(竹野内豊)は妻を亡くした後、男手一つでひとり娘の絵摩を高校生になるまで育ててきた。時折、けんかこそすれ、父親と娘は互いに支え合いながらつつましく生きてきた。
ところが、ある夜、絵摩がバイト先から戻らず、やがて凄惨な遺体で発見される。数日後、悲しみに暮れる長峰のもとに、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。逡巡の末、教えられたアパートへ向かい部屋を物色すると、そこには絵摩があまりにもむごい手段で殺されていくさまを捉えた映像が残されていた。帰宅した犯人のひとりであるアツヤを思わず殺害してしまった長峰は、主犯のカイジを追う。カイジやアツヤは、現行法上はまだ死刑は適用されない少年。父親の行動は、是か非か。世論を二分する長峰の逃亡復讐劇が始まる。
【作品概要】
■連続ドラマW 東野圭吾「さまよう刃」
5月15日(土)放送・配信スタート
毎週土曜日夜10時【WOWOWプライム】【WOWOW 4K】【WOWOWオンデマンド】
(第1話無料放送)
■番組特設サイト https://www.wowow.co.jp/drama/original/samayou/
■スタッフ・キャスト
原作:東野圭吾『さまよう刃』(角川文庫刊)
脚本:吉田紀子(「東野圭吾 片想い」、「東野圭吾 ダイイング・アイ」)
音楽:髙位妃楊子(映画『岬の兄妹』 )
監督:片山慎三(映画『岬の兄妹』、『そこにいた男』)
プロデューサー:井上衛、渡邉浩仁
制作協力:AX-ON
製作著作:WOWOW
出演:竹野内豊 石田ゆり子 三浦貴大 古舘寛治 瀧内公美 井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr) 本田博太郎 / 國村隼
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