寝付きが極端に悪くなり…あわや失業の危機、これって更年期のせい?

「夜しっかり寝ているはずなのに日中も眠たい」

「睡眠の質が悪くなり昼間も眠たくてだるい」など、40~50代になり、こんな悩みがありませんか?

日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。

この時期は、ホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いです。

更年期女性のお悩みのひとつに「昼間の強い眠気」があります。

今回は、更年期の眠気の改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。

更年期の歩き方(27)

仕事中なのに眠すぎて大失敗、あわや解雇の危機に…

ようこさん(52歳)は、日中の激しい眠気に悩まされています。

 

「最近、寝つきが悪くて布団に入ってもなかなか眠れません。しかも、急にほてりを感じて暑くなり、夜中に何度も目が覚めてしまうんです。そのせいか、朝起きた時の目覚めもスッキリしないし、日中も眠たくて困っています」

 

保険代理店の営業職として働くようこさん。外回りで外出することが多いそうですが、先日、日中のひどい眠気のせいで仕事中に大失敗をしまいました。

 

「挨拶回りのために電車で得意先に向かっていた時、激しい眠気に襲われてつい居眠りしてしまって…そのままぐっすり眠ってしまい終点まで乗り過ごしてしまったんです。慌てて戻ったものの、約束の時間に大幅に遅れてしまい、その日のアポイントも取り消されてしまいました」

 

ようこさんの携帯には上司から何度も着信があったものの、寝ていて全く気付くことができませんでした。

 

カンカンになって怒る上司に遅刻の理由を告げると、「寝過ごして仕事に穴をあけるなんて」と怒りを通り越して呆れられてしまったそうです。

 

「この一件で、すっかり上司の信用を失って、私が行くはずだった営業先は全て他の人が行くことになってしまいました。このままでは私の仕事がなくなるかもしれません」

 

ようこさんは、不安や焦りを強く感じるようになりました。

 

それって更年期じゃない?

 

仕事での不安や焦りが強くなるにつれて、ますます夜は眠れない、そして日中は眠たくなると悪循環の毎日を過ごしていたようこさん。

 

「心配した同僚が『最近、いつも眠たそうで元気がないけど大丈夫?』と、相談にのってくれました。症状を話すと、同僚からは『それって更年期が原因じゃない?』と言われました」

 

実は、ようこさんの同僚も同じように睡眠のトラブルで悩み、睡眠外来を受診したもののスッキリ改善せず困っていたそうです。

 

その時たまたま読んでいた女性誌で「更年期で不眠や眠気がでることがある」と知ったとのことでした。

 

「同僚からの言葉に、そういえば、日中にひどく眠たくなりだしたのは、ちょうど1年前に閉経してからだったとハッとしました。さらに同僚から、『更年期の不調によく使われる漢方薬を飲み始めてみたら、よく眠れるようになって体調もよくなったのよ』という話を聞き、漢方薬に興味を持ちました」

 

モノは試し。漢方薬を飲んでみることに

「漢方でこの睡眠の不調が改善するなら試してみたい」

 

最寄りの漢方薬局は少し遠かったものの、同僚の話を聞いて、ようこさんも漢方薬局に行ってみました。

 

「薬剤師からは、『睡眠トラブルの原因は更年期でしょう。更年期になると女性ホルモンのバランスが乱れて自律神経が不安定になるため、不眠や眠気などの症状が出てしまうことがよくあります』と説明され、漢方薬が処方されました」

 

処方された漢方薬は、加味逍遙散(かみしょうようさん)。

 

加味逍遙散は、乱れた気のバランスや血の巡りをよくして、からだにこもった過剰の熱をおさえ、精神の興奮を和らげる漢方薬です。

 

「漢方薬を飲み始めてから、ほてりや暑さを感じることがなくなり夜中に目が覚めることが軽減してきました。そのせいか、仕事中に強烈な眠気に襲われることもなくなってきました」

 

しかも、仕事での失敗以来ずっと感じていた強い不安や焦りがおさまり、気持ちが安定してきたそうです。

 

もう日中に眠たくなることもないので仕事も抜かりなくこなしているそうです。

 

「相談にのってくれた同僚は、『やっぱり更年期が原因だったのね、元気になってよかった!』と自分のことのように喜んでくれました。上司からも仕事ぶりを評価されて、また外回りの営業に戻ることができました」

 

今では、すっかり寝つきもよくなって、朝の目覚めもスッキリというようこさん。生き生きと仕事に取り組んでいます。

 

■もしかして、こんな症状もありませんか?「胃の痛み」

詳しくは>>>楽しかった食事が苦痛に。夜も眠れない胃の痛みが、まさか更年期だなんて?

日中の耐えられない眠気を漢方薬で改善

「薬はできるだけ飲みたくない」

「ぐっすりと眠りたい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。

「眠りが浅い」「ぐっすり眠れない」「早く起きてしまう」などの睡眠の不調の根本改善に役立つ漢方薬はいくつもあります。

漢方は心とからだのお悩みを、からだの内側の気の流れ、水の流れ、血の流れを整え、根本改善することを目的としています。

自然の生薬で作られた漢方薬は毎日のむだけで、からだにやさしく作用し、理想の健康を目指せます。

更年期の昼間の眠気におすすめの漢方薬

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲れやすい、朝すっきり起きられない方に。
・加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラやホットフラッシュ、不眠も気になる方に。
・帰脾湯(きひとう):眠りが浅い、夢をよくみるなどの不眠も気になる方に。

 

漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。

うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、専門家に力を借りるのがおすすめです。

 

漢方に詳しい薬剤師がAIを活用し、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンライン個別相談)」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

 

更年期の眠気には漢方薬も試してみて!

「しっかり寝ているのに朝の目覚めがすっきりしない」

「仕事中もひどい眠気に襲われる」

あなたを悩ます日中の眠気は、更年期が原因かもしれません。

ひとりで悩まずに専門家に相談してみませんか?

漢方薬でからだの内側からバランスを整えて睡眠の質を高め、更年期も元気に過ごしていきましょう。

 

 

執筆/あんしん漢方 薬剤師 清水 みゆき

漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。

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