【40女の恋愛事情】story1 私はいつか結婚できますか?-39歳・恭子の場合(2)-
あと10分で40歳の誕生日だというのに、私はひとり。
こんなのおかしい! やり場のないさびしさから、電話占いをダイヤルした恭子は……。
気心の知れた友だち同士でも簡単にはうちあけられない、
大っぴらには語られないアラフォー恋愛のギリギリな心理に切り込みます。
1回目に続き、恭子のケースの3回中2話め。
***
「ちょっと待って」
リリサラさんは、私を呼び止めた。
「待てません。だって待ってる間にも1分ごとに150円も課金されてるんですよ。もったいないじゃないですか」
こんな自分が嫌だった。
占い師に頼り、そして八つ当たりしてる。
こんな自分の姿を見たら、男性は嫌がるだろう。
わかってるのに、止まらない。
この占い師が「誕生日までに恋人ができる」なんて言うから、信じてしまった。
信じるものは救われるなんて言うけど、全然救われなかった。
もうすぐ誕生日なのに、私はたった一人。
誰も「明日誕生祝いに飲もう」とも誘ってくれない。
信じなきゃよかった。
そしたらあきらめもついた。
この占い師が「お誕生日までに」なんて言うから、それを楽しみに今日まで生きてきてしまった。
外れるなら、こんな幸せな予言、しないで欲しい。
当たらなかったら、40目前の女から、夢も希望もほのかな期待も、すべて奪ってしまう。
残ったのは、すっぴんの、ちょっとやつれた女の姿。
ちっとも幸せそうじゃない、鏡の中の私。
むなしすぎて、泣きそうだった。
もしも戻れるのなら、去年の自分に忠告したい。
「この占い師は当たらないよ」って言ってやりたい。
そうしたらこんなに哀しい思いをしなくて済んだのに……。
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