【40女の恋愛事情】story1 私はいつか結婚できますか?-39歳・恭子の場合(2)-
「ああ、思い出したわ、クリスマスの夜に相談してきたかたね」
不意にリリサラさんの声がした。通話がまだ繋がっていた。
「あなた、40歳になる前に結婚したいって言ってたもんねえ」
「……覚えてるんですか?」
「全部じゃないけれど、一部は記憶してるわ」
「でも占い、外れましたよ」
「そのことなんだけど」
彼女は私に尋ねてきた。
「私があの時なんて言ったか、覚えてるかしら」
「だから誕生日までに恋人ができるって」
「ううん、言ったのは、それだけじゃないはずよ。カードが完全に明るいものではなかったもの。私は、いろいろなところに出かけてみて、って言ってなかった?」
「……」
そういえば、そんなことを、言われたかもしれない。
怒りの向こうに、あの時の占い師との会話が浮かんでくる。
「誕生日までは出会い運が続いているから、どんどんあちこちに連絡を取ったり、面白そうと思ったイベントに出かけてみるなりしてね」
そんな風に言っていたかもしれない。
「私から動かなければ、恋人ができないんですか?」
「あなたのその時の運気だったら、そうね」
「そんな……」
誕生日までに恋人ができると言われて浮かれていて、話を適当に聞き流していたって言いたいのだろうか。
ごまかされている気がした。
「でもできるって言ってたじゃないですか」
「あなた、行動しなかったのね」
とても冷たい声で、リリサラさんは言った。
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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