東芝が「約40年ぶりに作った」電気圧力鍋、働く女性に起きていた変化って?【開発秘話♯10】
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コロナ禍でおうち時間が増えた影響で、とにかく需要が高まった調理家電。中でも「電気調理鍋」はさまざまな価格帯の商品が揃い、どう選ぶか迷います。
実はストアの「電気調理鍋」を見てみると、実は「電気で加熱する鍋」「電気で圧力をかける鍋」の2つに分かれていることにお気づきでしょうか。
後者、「電気圧力鍋」のうち、今年の新製品いちばんの目玉は「約40年ぶりに販売する」という東芝製品でしょう。
東芝ライフスタイル キッチン・リビング事業部 キッチン商品部 商品企画 黒﨑秀行さんに「なんで作ったの?」と聞いてみると……?
意外な人気?「温泉卵」と「ビーフストロガノフ」
2021年12月に発売された電気圧力鍋、RCP-30R。ポイントは?
黒崎さん(以下同)「料理の腕がワンランク上がるところが魅力です。私も試作品を家で使いましたが、ちょっと勘違いするくらいに料理がうまくなりました(笑)。使い方に特に難しい点もなく、本当にボタンを押して待つだけ。従来なら特別だった料理を日常にしてくれる道具です」
レシピブックを開くと、正直いって「難しそう」な料理が並びます。豚肉のビール煮込み、スペアリブのビネガー煮込み、牛すじ肉とひよこ豆の白ワイン煮込み……
「その、ちょっとだけ非日常を感じられる料理を毎日手軽に楽しめるのが魅力。なので敢えてレシピブックに入れました。『牛すね肉のビーフストロガノフ』なんて難しそうな料理を簡単に日常料理にしていただけます」
圧力鍋の代表格「豚の角煮」なら言うまでもなく、短時間でお肉がほろほろになります。
「この鍋ならではのポイントが青魚料理。こんなに柔らかくなるんだ、骨ごと食べられちゃうんだと驚いていただける『さんまのトマト煮』をレシピブックに収録しました。青魚はこのほか、いわしなども骨ごと食べられます」
気圧が高いため、牛すじ肉など硬い肉の煮込みも得意です。2段階ある圧力のうち、1.8気圧は肉や魚の調理に。1.4気圧はポトフなど野菜や白身魚に。
「ひそかな人気は70℃モードで作る温泉卵。シリーズの炊飯器でもメニューに取り入れているのですが、根強い温泉卵ファンからすっごくよかったという反響があります。ぜひ試してみてください」
RCP-30Rは後述の通り炊飯器の流れの開発を汲む機種のため、お米にも自信があります。
「中でも『ビビンバ風炊き込みご飯』がおすすめ。ぜひ温泉卵も作ってのせ、卵の黄身をとろりとたらしながら食べていただきたいです。お肉を入れながらご飯も炊くため、両方のおいしさを楽しめます」
また、かぼちゃのそぼろ煮もぜひ作ってもらいたいメニュー。かぼちゃにほくほく感が出て、そぼろに味がしみ込むよう調整をしたレシピです。先に「炒める」モードで10分炒めるため、お肉のうまみも引き出せます。
「柔らかいけれど味がしみこんでいない、逆に形がきれいだけど柔らかくないという不満点を解消した自慢のレシピです」
そもそも「電気圧力鍋」のポイントって?
家電にかぎらず製品の開発リードタイムは思いのほか長くかかります。そんな中、東芝の新しい電気圧力鍋RCP-30Rの開発スタートは去年の夏と比較的最近です。
「といっても、プロジェクトそのものはコロナ以前から始まっており、時短、省手間の流れで調理家電は検討していました。そんな中、コロナの影響を受けて急激にニーズが高まり、このタイミングで発売にこぎつけました」
商品企画を担ったのはもともと炊飯器を担当していたメンバー。東芝のヒット商品・圧力炊飯器と構造上の類似点もあり、その開発をベースにして品質をアップ、技術要素を組み込むことでクイックに開発を進めました。
とはいえ、似ているところはあるものの同じ機構ではありません。
「1.2気圧程度の電気圧力炊飯器に比べ、電気圧力鍋は1.7気圧、最近なら1.9気圧のものも出ています。圧力が高い分だけ安全性や耐久度がシビア、倍以上の圧力がかかる難しさがあります。しかし、ほったらかしてOKという調理のメリットは代えがたい魅力だと考えました」
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