「無駄なことをわざわざ聞く」これで不思議と家族関係がよくなるワケ
「どうしても怒ってしまう」「子どもの愛し方がわからない」「育児に自信がない」……表立っては言えない、そんな悩みを心の奥底に持っていませんか? 大丈夫、言わないだけで周囲にもそういう人はいっぱいいます。
そんなお母さんたちに向け、書籍『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』から、モラハラ対策カウンセラー・Joeさんが提案する「耕し子育て」のポイントをご紹介します。今回は「3秒コミュニケーション」中級編です。
親子関係がみるみるよくなる「一往復半パッケージ」のポイントって?
ポイント① すべてはノリ
「一往復半パッケージ」は、心を込めず、「ノリ100%」で言って大丈夫です。つまり、真面目に「学校を楽しんでくれていて良かった」と思っている母親の気持ちを、子どもに伝えるのがねらいではありません。
これはただの、子どもとのふざけ合いの一環なので、意図的にテンションを上げ、頭を使わずにテキトーに言ってください。「あ〜良かった!」って。
そして、それを言い終えるか言い終えないかの間に、また何事もなかったかのように、さっさと家事に戻ってください。
そうすると、子どももそれで満足して、自分の活動に戻れるので、そこでスパッと終われるし、カッコいい母親の印象を残せます。
ポイント② 会話を続けないこと
ポイント①とも重なりますが、必ず「これはただのノリですよ」というのを示して、「あ〜良かった!」と言った後、スパッと切って、家事に戻ることで、会話が続かないようにしましょう。
次にご紹介する「すっご!」も同じですが、「一往復半パッケージ」の、最後の言い終わりの言葉は、これ以上、子どもが会話を続けようがないセリフを選んで、勢い良く元気に言い切って終わるのが、子どもの心を一瞬で元気にした上で、なおかつ会話を引き延ばさせないコツです。
別に、そのまま会話が続いても、あなたがいいならそれでもいいし、むしろ話は聞いてあげるほうが好ましいことですが、そもそも、「3秒コミュニケーション」自体が、「忙しくて子どもにかまっていられない母親」「子どもの長い話に付き合っているとイライラしてしまう母親」に向けたメソッドなので、母親側に負担がかかっていては、元も子もありません。
このメソッドを活用することで子どもの話が長引くと、あなた自身が、子どもに話しかけるのがだんだん嫌になって、次回から話しかけるのを止めてしまうかもしれません。
だから、この「3秒コミュニケーション」を仕掛ける時は、「絶対に長く続けないぞ!」というくらいの心構えで、ノリ重視で楽しく話しかけて、すぐに切り上げ、さっさと家事に戻るほうが良いでしょう。
そのほうが、あなた自身が次回からも頻繁に、また楽しく子どもに話しかけようと思えるので、長期的には子どものためにもなるのです。
ポイント③ 最初に子どもの名前を呼ぶ
「名前を呼んでもらう」ということは、子どもにとっては価値のあることです。母親としては、「本当に効果があるのか?」と思うかもしれませんが、子どもというのは、自分の名前を呼ばれると、自分へのピンポイントの愛情を感じて、すごくうれしくなり、安心します。
親であるあなたの側からすると、意味がわからないかもしれませんが、とにかく、子どもの心というのは、そういうものなのだと思ってください。
たかが我が子の名前を呼ぶくらい、あなたにとってはまったく手間がかからないのに、子どもの心の耕し効果は非常に高い、コスパの良い声かけなので、できる限り、最初に子どもの名前を呼ぶようにしましょう。
また、すでにお伝えしましたが、あなたの子どもが複数いる場合は、兄妹姉妹全員に対してまとめて言うと、愛情を受け取る側の効果は激減します。
この点も、親の側からすると意味がわからないかもしれませんが、とにかく子どもというのは、自分個人を特定されて愛情をかけられたほうが、受け取る愛情の分量が激増する仕組みなのです。
コスパが良いので、子どもが複数いる場合は、できる限り個別に子どもの名前を呼んでその子を特定し、それから後述する声かけをするようにしてあげましょう。
「あ〜良かった! 」のバリエーション
この「あ〜良かった!」は、日常のどこでも使えて、子どもが安心しますし、汎用性が高いので、自分でいろいろバリエーションを考えてみてください。
・ 親「お風呂気持ち良かった?」→ 子「気持ち良かった〜」→ 親「あ〜良かった!」
・親「お弁当おいしかった?」→子「おいしかった〜」→ 親「あ〜良かった!」
・親「学校行くの間に合った?」→子「間に合った〜」→ 親「あ〜良かった!」
・親「雨降らなかった?」→ 子「降らなかった〜」→ 親「あ〜良かった!」
・親「友達にちゃんと消しゴム返した?」→子「返した〜」→ 親「あ〜良かった!」
・親(何かに集中してる子どもに)「順調?」→ 子「うん。順調」→ 親「あ〜良かった!」
このように、本来、別に聞かなくてもいいような、当たり前でどうでもいいことをわざわざ聞くわけです。
「無駄なことを、わざわざ聞く」ということ自体が、子どもの心を癒します。
あくまでもノリなので、「それのどこが良かったのか?」とか、「本当に良かったのか?」など、そんな真面目なことを考える必要は一切ありません。とにかく、あなたが頭をまったく使わず、最後に「あ〜良かった!」というセリフを言って、部屋の雰囲気がちょっとでも明るくなればそれでいいのです。
子どもとの日常に明るいノリを放り込むことで、自然とあなたと子どもとの心が繋がり、毎日が楽しくなります。
つづき(1月31日正午から配信)>>>みるみる親子関係がよくなる!魔法の「一往復半パッケージ」のつくり方 *このシリーズの一覧はこちら
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