突然コロナの自宅療養が始まってわかる「あまりに足りない」ものとは

前編の「『オミクロンが軽症?私は二度とかかりたくない』29歳夫婦が見た結構な地獄」に続き、

1月15日に陽性判定を受けたマイコさん(仮名・29歳/横浜市)に体験談を聞きました。後編です。

 

買占めはNGだが、あまりに備蓄の心構えがなさすぎた

幸いなことに発症時点では横浜市の配食サービスがまだ機能しており、マイコさんは自宅療養期間中の食料に困ることはなかったそう。

 

「乾麺、ご飯のほか、冷凍食品を3日に1度ほど宅配してもらえたんです。トイレットペーパーなどの日用雑貨も入れていただけて、どれだけありがたかったか。私たち夫婦はネットスーパーや通販を利用しないため、この支援がなかったら本当に詰んでいました。ぞっとします

 

ただし、発症から数日は2人とも「レンジでチンすら無理なレベルの極度の倦怠感」に襲われており、食べ物ものどを通りませんでした。ゼリーやイオン飲料など軽く補給できる食品をストックしておくべきだったと反省したそうです。

 

「ほかにも、足りないものはたくさんありました。たまたま猫の餌と砂だけは買ったばかりでしたが、洗顔料とシャンプーが切れて困りました。もう一つ、危なかったのが常用している病院の薬。今回はたまたまギリギリで足りたのですが、薬は10日分は多めに処方してもらっておいて、いざというときはオンライン診療で薬を送ってもらえるようにお願いしておくなど、何か対処しなければと思いました」

 

盲点はもうひとつ、生理用品。たまたま療養中に生理が当たらなかったものの、当たったら困ったはずと振り返ります。

 

「ペット、洗面まわり、生理、薬。ある意味、地震や台風など災害で避難するときの予行演習でした。10日ほど隔離される可能性があるという意味ではまったく同じでした」

 

これらの品物は、近所のお友達に届けてもらうことも考えられたのではと思います。どうでしたか?

 

「感染してみてわかりましたが、万が一にも感染させたらどうしようと不安で、とてもじゃないが頼めないんです。今回、買い物を申し出てくれた友人は一人暮らしでした。たとえば我が家のドアノブで感染させてしまったら、このつらい闘病を1人でさせることになるのかと……」

 

災害被災時もどの段階で行政や地域の支援が受けられるかはわかりませんが、少なくとも状況をよく知る人からの支援ほど受けにくくなる点が新型コロナの恐ろしいところかもしれません。

 

自分はもう感染していると仮定して行動を見直してほしい

このわずか2週間の体験で、感染症に対する心構えががらりと変わったというマイコさん。

 

「まず、SNSを見る視点が変わりました。オミクロンなんて風邪だからとか、これから経済まわしに飲みに行くと書いている人を見かけると、いまは腹立たしくなります。私だって正直、これまで自分はうつされる立場だと思っていました。でも、感染してみると、自分が周囲にうつす恐怖しかないんです。うつした先には我が家の主人のように悪化する人がいるかもしれません。誰かの命に係わるかもしれないということが本当にリアルに感じられるようになって」

 

すでに政府の給付金も十分ではなく、働かなければ生活が立ちいかない人も多い以上、どうすべきと発言するのはとても難しいのですが……と言葉を選ぶマイコさん。

 

「でも、異常を感じたらなるべく家にとどまり、むしろ自分が感染してるくらいの気持ちでいたほうがきっといいと思うんです」

 

少なくとも、密になる場所に、必要もなくわざわざ出かけていく必要はいまはないのではないか。そう思っているそう。

 

「発症から2週間たって、私はやっと普通の風邪症状くらいに落ち着きました。仕事も明日から復帰ですが、まだのどの違和感や倦怠感は続いています。しばらくは本調子では働けないと思いますし、隔離期間を終えたとはいえ、本当に誰かにうつさないのか自分でも恐怖感があります。こんな病気がただの風邪であるわけがありません、みなさんも気を付けてください」

 

前編>>>「オミクロン?私は二度とかかりたくない」29歳夫婦が見た結構な地獄

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