ピアノの練習中、母は私をものさしが折れるほど叩いた。私には子供時代がないんです【みんなの毒親】(後編)
この連載では、実際の体験談を元に、十人十色の親との確執をご紹介します。
【みんなの毒親 第1話 後編】
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地方進学が転機に
――大学で実家を出たと伺いました
「地元を離れて東京の音楽大学に進学したのですが、そこから心身の調子をとりもどしてゆきました。
食事についても、『食べなさい』と言う人がいなくなったら、自発的に食べるようになりました。
それまでの、母から精神的な距離を詰められている状態から反動がきたのか、数ヶ月連絡をとらないことも普通にありました。
物理的に距離をとったのは良かったと思います。親との関係を見つめ直すきっかけにもなりました」
今も自己肯定感が低い
――親からされたことで、今も影響があると思うことはありますか
「あんたはダメな子、とずっと言われてきたので、自己肯定感が低いです。他の人が私を褒めてくれても『うちの子はダメ』っていちいち反論する人でした。だから、自分が何をやっても自信が持てなくて…全然ダメだなって思ってしまいます。
“嬉しかったことは薄れていく、哀しみは深くなっていく。だから人は恨み続ける。因縁がなくならない。
つらい記憶は砂のように細かく心の溝に埋まっていって、それが人の心を支配していく”
そういうふうに思いながら生きるつもりはないけれど…でも、そう考えてしまう瞬間はよくあります」
自分の子供との関係
――お子さんが2人いらっしゃいますが、関係性はどうですか?
「とても大切に思っていますが、上の子を叩いてしまいます。あと、結構きつい言い方で叱ってしまいます。自分の親の影響があるかはわからないですが、きびしい母親だと思います。
自宅でピアノを教えているのですが、他人の子供には怒鳴ったりしません。でも自分の子供には怒鳴ってしまいます。
自分の子供だから自分から離れていかない、というエゴが自分の中にあると感じています。何をしても許されると思ってしまう。
自分の所有物化してしまっている。これでは母と同じですよね。
『他人の子供と同じように、1個人として扱ってあげよう』というのが今の私の課題です」
親にいいたい言葉
――今なにか一言、お母様に伝えられるとすれば、どのような言葉を?
「何もいいたくないですね。触れたくない…。考えたくないです。もういいやって諦めているんです。
それに、親との時間は、幸せではなかったけれど、蓄積されてきたものです。それを否定したら、今の自分まで否定する気がして…」
毒親持ちの人たちへの言葉
「私は、大学を卒業してすぐ結婚し、それ以降10年ほど ほとんど親に連絡を取っていませんでした。
再び連絡を取り合うようになったのは、父の死がきっかけです。とてもつらい体験で、お互い精神的に支え合う必要性があったのです。
今でも母と話は通じませんが、夫を間にいれて、伝書鳩のように対応をしてもらっています。
夫は良い意味で他人ですので、母にいちいちイライラしないんですね。
今後も、お互いの精神の平和のためにも、全て夫に対応してもらう予定です。
親との関係性は、100人いたら100通りだと思います。だから、完全に断絶してしまえばいいとは言えないです。
ひとことで解決できないことが多いと思います。でも、ちょっとでも『お母さん、どうしてるかな』って心配する心があるならば、和解できるきっかけがありそうなら、チャンスを逃さないようにしてほしいです」
――ありがとうございました
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(構成/文 星雅代)
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