大切なことは「他人と自分を比べないこと」【キャリアの棚卸#6】

2022.04.10 WORK

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40代に入り、会社員生活の残りが20年を切りました。ちょっとだけ生活が落ち着いてきた人が次に考えるのが「この先どういうキャリアをどう積んでいくか」。この仕事をこのまま続けていくのか? 他の道を歩んでいくのか?

女性のセカンドキャリア研修を手掛ける株式会社Next Storyの代表、西村美奈子さんにお話しを伺いました。

【何から始めればいい?40歳を過ぎたら考える「キャリアの棚卸」のこと】

お金のことも整理するとより人生が明確にわかる

もうひとつ、定年後の経済のことも大切です。これはキャッシュフロー表を作ることが大事。将来いくらお金が必要なのかがわからないため、ムダに不安を抱えているケースが非常に多いんです。

 

具体的に収入が毎月いくら必要なのか、日本女性の場合は90歳まで生きると考えてフローを作ります。すると、実は退職金が出るので月に5万円稼げれば大丈夫などと、案外心配しないでいいことが判明したりします。5万ならレジのパートでいいや、その分お金にはならないけれど趣味の分野を頑張ろうとか、もう5年今の会社で頑張ってお金をためてからお店を作ろうなど、具体的なことがわかります。

 

セカンドキャリアでもばりばり稼げれば理想的ですが、現実には思ったほどは稼げません。ですから、今の会社に残れば収入は下がるもののサラリーはもらえるという場合、焦って独立してしまうと収入はゼロです。夢だけを描かず、現実を見るのも大事です。

 

ただし、お金ありきでセカンドキャリアを考えるのは失敗のもとです。すごく稼げるけれどやりたくないことと、やりたいけど稼げないことがあり、後者だけでは生活が破綻するという場合、前者も勘案しようかな?という感覚でいい。

 

夢だけ追ってもだめなのですが、セカンドキャリアはやりたいことをやるためにお金があるんだと考えたほうがいいと思います。なので、まずお金のことを考えて、いまの会社にもう3年いる、そこから次のキャリアを考えるというのはアリなのです。

 

セカンドキャリアで大切なことは「他人と自分を比べないこと」

最初のころ、私は「成功は人が決めるけど幸せは自分が決める」と言っていました。でも、その後、考えを改めました。

 

成功も自分で決めていいんです。自分で満足できれば成功!

 

セカンドキャリアで「しなくていいこと」、いや「すべきでないこと」は「人と比べること」。ロールモデルを設定して彼女みたいになりたいと目指すのはいいけれど、ただ一人のモデルではなく、いろいろな人をつまみ食いしたほうがいい。サンプルがたくさんあるほうがうまくいくと思います。

 

「この人みたいになる」と決めてしまうと、結局自分と比べて、私はここまでできないな、才能がないな、なんてあきらめてしまいます。でも、この人のここがいいな、この人ならここだなと、様々な人たちの部分部分がいいなと思えれば、自分を否定することにはつながらないでしょう?

 

人と比べたら結構落ち込むこともあります。でも、セカンドキャリアは人と比べず、自分がハッピーになることを考えようよ! と言ってもみんな比べちゃうんですよね。どうせ比べるなら、以前の自分と比べて、それよりハッピーかどうかを指標にすればいいんだと思います。

 

セカンドキャリアを何とかしたい人って、基本的にみんな前向きで、自分のやってきたことにある程度の自負もあります。でも、おしなべて謙虚で、経歴を聞いて、あなたはこんなにすごいことをやってきたのに?と聞いても、大抵「いや全然です」と心の底からの本心で言われます。みんな自己肯定感が低いんです。

 

中には、現役時代と同じくらい稼ぎたいです、得た収入が評価だと思ってます、なんて人もいるのですが、それ以上に「いや私なんて何もできないんです」という人が多い。現に私自身がそうでした(笑)。

 

でも、全員がセカンドキャリアを充実させたいと思っていて、働くこともイヤじゃないんですよね。いまの働き方はイヤだけれど、働くことそのものはずっと続けたいと。なので、イヤなことは手がけず、自分を否定しない働き方を探していくのが大事なのです。

 

NEXT>>>セカンドキャリアにも終わりがくる?どこを最後と見極めるべきか?

>>>このお話の続きは総集編でお読みいただけます!

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お話/西村美奈子さん


株式会社 Next Story 代表取締役 富士通グループ在職中から「マチュア世代の働く女性のセカンドキャリア」をテーマ に研究に従事。早期退職後、自身の経験と研究をベースに会社設立。昭和女子大現代ビジネス研究所研究員、2級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)

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