「押印」おういん?簡単なのに読み間違える漢字10選

2022.05.23 QUIZ

この原稿を書いている日は五月ですが、空は快晴です。とても気持ちの良い晴天です。しかしここで「五月晴れ」と書いてはいけません。この「五月晴れ」を「ごがつばれ」なんて読んではいけないし、しかもこの言葉は「梅雨の晴れ間」にしか使えません。日本語って難しいですね。今日も簡単なのに読み間違いをしやすい言葉を集めました。さっとチェックしてみましょう。

 

1・欠伸

読み間違いの例

けっしん

正しい読み

あくび・けんしん

意味

眠いとき、退屈な時、疲労した時などに不随意的に起こる呼吸運動。あくびのこと。

会議が退屈だったので、思わず欠伸(あくび)をしてしまった。

説明

「けんしん」とは読みます。あくびと背伸びのことを「けんしん」というのです。いわゆる「あくび」は「欠伸」と書きますが、読めない人も多いので「あくび」とひらがなで表記することも多いようですね。

 

2・完遂

読み間違いの例

かんつい

正しい読み

かんすい

意味

完全に遂行すること。やりとげること。

任務を完遂(かんすい)する。

説明

「遂」は音読みでは「すい」としか読みませんので、「かんすい」に決定なのですが、訓読みだと「遂に」と書いて「ついに」と読みます。このあたりを混同している人が多いと推察します。

 

3・荒らげる

読み間違いの例

あらげる

正しい読み

あららげる

意味

荒くする。

声を荒らげ(あららげ)ないでください。

説明

「あららげ」なんて「ら」が多すぎない?と思う人もいるようです。しかし、もともと、荒々しいことを「荒らか(あららか)」というので、このような変化となるわけです。

 

4・首を巡らす

読み間違いの例

くびをめぐらす

正しい読み

こうべをめぐらす

意味

後を振り向く。昔の事を思い出す。

首(こうべ)を巡らすと、そこには懐かしい風景が広がっていた。

説明

「首」は「くび」と読みますので、間違いではないのですが、この場合は「こうべ」と読むのが正解です。

 

5・押印

読み間違いの例

なついん

正しい読み

おういん

意味

印判(いんばん)を押すこと。

ここに、押印(おういん)をお願いします。

説明

「なついん(捺印)」という言葉の方が多く聞かれるのではないでしょうか。署名のそばに印を押す時に言われますよね。ちなみに署名なし、例えば印刷されたものに判を押すだけの場合は、「捺印」ではなく「押印」を使います。ですから、宅急便の受け取りなどは「捺印」ではなく「押印」となるのです。

 

6・極彩色

読み間違いの例

ごくさいしょく

正しい読み

ごくさいしき

意味

極めて濃厚な色彩。転じて、派手でけばけばしい色どり。厚化粧にもいう。

話題のデザイナーは極彩色(ごくさいしき)の衣装を身にまとっていた。

説明

「彩色(さいしょく)」という言葉があるので、間違える人もいるようですが「彩色」も「さいしき」と読みます。

 

7・御利益

読み間違いの例

ごりえき

正しい読み

ごりやく

意味

利益(りやく)の尊敬語。神仏が衆生(しゅじょう)に与える利益(りやく)

御利益(ごりやく)のあるお札をお土産にいただいた。

説明

利益(りえき)という言葉があります。こちらは利得のことですね。「御」がついたら意味が変わります。神仏が私たちにくださるもの。読み方も「りえき」ではなく「りやく」となります。

 

8・五月雨

読み間違いの例

さつきあめ

正しい読み

さみだれ

意味

陰暦五月頃に降る長雨。また、その時期。つゆ。

五月雨(さみだれ)の季節になりました。

説明

「五月」には特別な読み方をする熟語があります。

五月……さつき
五月雨……さみだれ
五月晴れ……さつきばれ
五月蠅い……うるさい

「意味」のところにもありますが、五月雨は陰暦五月頃の雨ですから、今の六月、そう、梅雨のことです。同様に「五月晴れ」は六月の晴れ、梅雨の晴れ間を指しますので、五月に「今日はすがすがしい五月晴れだね」というのは誤りです。

 

9・雰囲気

読み間違いの例

ふいんき

正しい読み

ふんいき

意味

その場面またはそこにいる人たちの間にある一般的な気分・空気。周囲にある、或る感じ。ムード。

雰囲気の良いレストランですね。

説明

漢字をそのまま読めば間違いはないのですが、言いやすさから「ふいんき」と読む人も多いようです。また「囲」の字を「因」と間違えているという説も以前NHKで紹介されていました。

 

10・柔和

読み間違いの例

じゅうわ

正しい読み

にゅうわ

意味

性質・態度がやさしくおとなしいこと。

柔和(にゅうわ)な目をしている女性。

説明

「柔」は「柔道(じゅうどう)」や「柔軟剤(じゅうなんざい)」の「柔(じゅう)」なのでそう読む人が多いのでしょう。しかし「にゅう」とも読む漢字で「柔和」の場合は「にゅう」と読みます。

 

 

みなさん、どうですか? 読み間違いというものは、誰にでもあることです。間違っていたものは、この機会にしっかりと覚え直すチャンスですね。

 

 

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