「過不足」は「かぶそく」ではない!ありがちな誤読5つ(後編)
<<前ページ
3・過不足
読み間違いの例
かぶそく
正しい読み
かふそく
意味
過ぎたことと足りないこと。多すぎることと足りないこと。過不及。
用例
過不足(かふそく)ない説明が求められる。
説明
小学校の漢字テストでよく出題されます。「過」は5年生で習う漢字で、私も作問しています(笑)。
○○不足という時は濁る時が多いですよね。「説明不足」「水不足」「食料不足」などです。この「○○不足」の場合は「○○が不足している」という意味です。このときは「ふそく」が濁って「ぶそく」となるようです。しかし「過不足」は「過」が「不足している」という意味ではなく、「過」+「不足」なのです。ですから、濁りません。
4・舌鼓
読み間違いの例
したづつみ
正しい読み
したつづみ
意味
食物を賞美する時などに、下を鳴らすこと。
用例
あまりのおいしさに舌鼓(したつづみ)をうった。
説明
女性の表現ではあまり出てきませんが、上の用例「あまりのおいしさに舌鼓を打った」のように使います。もともと「つづみ」という和楽器があります。舌でつづみを打っているような様子を表しているので「したつづみ」となります。
5・茨城
読み間違いの例
いばらぎ
正しい読み
いばらき
意味
関東地方北東部の県。
用例
昨日、茨城(いばらき)に行きました。
説明
「茨城」を「いばらぎ」と読むと、茨城の人に十中八九叱られます。県名なので、ルールも何もありません。廃藩置県の時から「いばらき」です。
言葉は変化します。ただその時に、「いやいや、元々の意味が変わってしまうから」と流れをせき止める人は必要ですね。
参考文献
放送用語委員会(東京) ことばの読みについて(連濁の語を中心に) ~『NHK日本語発音アクセント辞典』改訂にあたって~
文中「意味」は「広辞苑第6版」に掲載されているものから現代に通じるものを選びました。
スポンサーリンク