「すかす」でも「だます」でもありません!「貶す」の読み方、知っていますか?
「普段耳にしたことのある言葉なのに、漢字で書かれると読めない・・・」そんな経験ありませんか?漢字はただでさえ数が多いだけでなく、1つの漢字にさまざまな読み方があります。読めない漢字がある人もきっと多いはずですが、人前で漢字を読み間違えてしまったりすると恥ずかしい思いをするもの。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
「貶す」の読み方、知っていますか?
「貶す」という漢字を見たとき、「なんとなくいい意味ではない気がする」と思った人もいるかもしれません。その「なんとなくいい意味ではない気がする」は、なかなかいい着眼点ですよ!
ただ、そのイメージから「すかす」や「だます」と読んだ人もいると思いますが、「すかす」と「だます」は間違いです。ちなみに「すかす」は「賺す」と書き、「機嫌をとって、こちらの言うことを聞き入れるようにさせる」「言いくるめてだます」などの意味があります。
さて、では「貶す」はなんと読むのでしょうか。
「貶す」の意味は、
ことさらに悪い点を取り上げて非難する。くさす。
引用元:小学館 デジタル大辞泉
です。
正解はこちら!
「けなす」です。
次の問題:「伝播」の読み方、知っていますか?
「伝播」は普段の会話にはあまり登場しない言葉かと思います。でも「伝播」が意味する
1 伝わり広まること。広く伝わること。
2 波動が媒質の中を広がっていくこと。出典元:小学館 デジタル大辞泉
という様子には、馴染みがあるかもしれませんね。
さて、そんな「伝播」ですが、「播」に含まれる「番」の漢字につられて「でんぱ“ん”」と読んでいませんか?パソコンやスマホで「でんぱん」と打つと「伝播」と自動変換されることもありますが、本来の読み方は「でんぱん」ではありません!
第2問。伝播の読み方、正解は…
正解は「でんぱ」です。
「播」には
- 音読み ハ・バン
- 訓読み ま(く)・し(く)
参照元:播|漢字一字|漢字ペディア
の読み方があり、“広める”の意味をもつ「伝播」以外には
- 播種(ハシュ)
- 播植・播殖(ハショク)
- 播く(まく)
など、“まく”を意味する表現に用いられます。
「伝播」と「伝搬」
「伝播」を「でんぱ“ん”」と読んでしまう人は少なくありません。そのため、辞書によっては“でんぱん=伝播の誤読”と記載しているものや、“「ぱん」は「播」の慣用音”と記載しているものもあります(参照元:伝播(デンパ)とは – コトバンク)
また間違いやすい言葉に「伝搬」があります。こちらは「でんぱ“ん”」と読みます。
「伝搬」は
1 伝わること。また、伝えること。
2 波が伝わること。出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。先で紹介した「伝播」の意味とよく似ています。
『三省堂 新明解国語辞典第四版』によると、「伝搬」は「伝播」の誤読から使われるようになった言葉だと言われています。
- 「伝播」が「でんぱ“ん”」と誤読される
- その音を聞いた人が「伝搬」と誤記する
- 誤読されやすい「伝播」ではなく、誤記された「伝搬」が広まる
漢字の中には、正しい読み方ではないが広く普及したことで一般化した「慣用読み」のものも多々あります。言葉は時代とともに変わりゆくものですから、いつか「伝播」も「伝搬」も「でんぱ“ん”」と読む時代がくるかもしれませんね…!
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