「男性更年期かも?」抑えられないイライラ、肩こり、頭痛に苦しむ男性が「たどりついたケア」は
40~50代になり、「最近、首や肩のこりがひどい」「首が痛くて頭痛がする」などの悩みがありませんか?
日本の女性は、平均で50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。
この時期はホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いようです。
また、男性の場合も、一般的に中年以降、加齢とともに男性ホルモンの分泌が穏やかに減少し始めます。
更年期の症状は女性特有ではなく、男性は40歳以降いつでも起こりうる可能性があり、さらに女性と違って終わりもありません。
更年期のお悩みのひとつに「首こり」があります。
今回は、更年期の首こりを改善する方法について「あんしん漢方」の薬剤師・清水みゆきさんに教えてもらいました。
更年期夫婦に突然「信じられないくらいの危機」が訪れた…?
弘江さん(48歳)は、最近、ご主人の達也さん(50歳)と夫婦関係がうまくいかないと悩んでいました。
「年齢を重ねて性生活もなくなり、スキンシップもほぼありません。夫はイライラしがちで疲れているようで……子どもの手が離れてきた頃から喧嘩ばかりの毎日です」
せっかく夫婦水入らずの時間が増えたのに、このままではこれから先うまくやっていけないと悩む弘江さん。
「行きつけの整体の待合室で健康雑誌を読んでいたら、『夫婦で更年期症状に悩むケースがある』とコラムに書いてあったんです」
年齢的に、私も更年期かもと気になって、弘江さんはじっくり読んでみたそうです。
「コラムによると、『男性の更年期障害もあるが、女性よりも発見されにくいため、ひとりで悩みを抱えているケースがよくある』とあって……まさに、夫のことではないかと驚きました」
夫の訴えを丁寧に聞いて、まずは歩み寄ってみることに
弘江さんは、男性にも更年期があることをご主人に話してみることにしました。でも、そのまま話したも反論されたり、怒り出されたりするかもと思った弘江さんは、一計を案じました。
「今日読んだ本に、男性は弱音を吐けないためひとりで悩みを抱え込むことが多く、そのため本人が思っているより悪化してからの受診が多い、早めに受診につなげれば軽く済むって書いてあったんだけど……」
と、共感を得そうな部分から話を切り出してみました。きっとご主人もつねづね思い当たる節があったのでしょう。
「俺もそうかも……最近、首や肩のこりがひどくて頭痛も頻繁に起きるんだ。そのうちイライラしたり気分がふさいだりしてきて、自分でもコントロールできなくなってしまう」
と、言葉少なにつらい胸の内を打ち明けてくれました。
「このことをきっかけに、夫婦でからだのことや気持ちの変化、それぞれの悩みについて正直に話すことができました。夫がこんなに苦しんでいたとは私も気づかなくて……」
少しでも首や肩のこりがよくなればと思った弘江さんは、ご主人を誘って、一緒に整体に行ってみることにしました。
特に男性の場合、首や肩のこりは「年のせい」ではないケースも潜んでいる
「男性更年期は認知度が低く、年齢や仕事の疲れのせいと見過ごされがちです。それに首や肩のこりなんて軽視されやすい症状ですよね。心身の不調から余裕がなくなって、夫婦仲が悪化することもよくありますよ」
と整体の先生は、男性の更年期障害について詳しく説明してくれたそうです。
「マッサージと一緒に漢方を服用すると効果的ですよ」
整体の先生にすすめられた弘江さんは、夫婦そろって漢方薬局に相談してみることにしました。
「薬局の男性の薬剤師さんと夫がすっかり意気投合しちゃって……楽しそうに話している姿をみてほっとしました」
薬局では、大柴胡湯(だいさいことう)という漢方薬が処方されたそうです。
大柴胡湯は、自律神経や血液循環を調整する肝のはたらきをよくして、首や肩のこり、頭痛の改善が期待できる漢方薬です。
「漢方を始めて、まずイライラや頭痛が軽減したようです。そして、首や肩のこりもかなり楽になったと喜んでいます。夫の劇的な変化をみて、私も漢方を試してみるつもりです」
▶【この記事の後編】男性更年期かも?と思ったら、この他に試してみるべき漢方薬は?
続きを読む
スポンサーリンク