「私、毎日ヘトヘトのままおばあちゃんになっていくのかな」仕事と家庭の両立に私たちがこれほど迷うワケ

2022.11.17 WORK

「仕事と家庭の両立に悩んでいる」……30代までと比べ、ライフステージの変化につれて守るものが多くなっていく40代女性にはそんなお悩みがつきもの。その悩みの原因は、「自己分析不足」からきているかもしれません。

本記事では『自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』の著者で強み発掘コンサルタントの土谷愛が、仕事と家庭の両立に悩む女性たちに向けて、その悩みから解放される「適職」の見つけ方をお伝えします。

 

【画像6点】そもそも「自分の人生の設計」ってしたことがありますか?

 

40代女性のキャリアのモヤモヤ。「仕事」と「家庭」の両立に悩む女性たち

多くの女性は40代に差し掛かると、20代や30代の頃とは違った悩みが生まれてきます。

40代といえば、自分のことだけをガムシャラに頑張る時期は過ぎ、結婚して子供が生まれ、家族を持つ人も多くいます。そうなれば仕事だけではなく、家事や育児、夫婦関係、家族の介護、地域や学校との付き合い方など、考えることが増えた分、悩みの種も増えるもの。

そんな働くお母さんたちにとって、とりわけ大きな悩みの種となっているのが「仕事と家庭の両立」ではないでしょうか。「男性が外で働き、女性が家庭に入る」という考え方が時代の中心だった一昔前と比べて、最近は結婚後も外で働く女性が格段に増えました。

もちろん、家庭を持っても仕事をする理由はさまざま。家計や教育資金など「お金」のためというのがその一つですが、それ以外にも、社会との繋がりや自己成長を感じて「充実感」を得るため、と考える女性も多いようです。

しかし、家事や子育てと仕事の両立は、若い頃に想像していた以上にハードなものです。

毎朝早起きして子供の世話をし、その足で仕事に出かけて昼は職場で働き、残業をしないようダッシュで仕事を終わらせ、夜は保育園や学校が終わった子供たちのお迎えや宿題の指導をしながら会話に付き合い、並行して夕飯の買い出しや準備。なんとか食事を終わらせると今度は片付けが待ちうけ、子供をお風呂に入れて寝かしつける…。一日が終わる頃にはへとへとになり、自分の「時間」も「体力」もほとんど残っていない、というのが現実です。

いくら「男女平等」が叫ばれる世の中であっても、まだまだ根強く残る「家事や育児の担い手は女性だ」といった風潮も顔を覗かせます。このような状況の中で、働くお母さんたちは、仕事に家事育児に、もう十分すぎるくらいに頑張っています。

 

そこで迷いが出ている時点で「適職に出会えている」とはいえないのではないか

 

さて、こんな状況の中で、今の「仕事」にモヤモヤを抱えている女性は少なくありません。たとえばあなたは、こんなふうに思ったことはありませんか。

「本当はもっと好きな仕事をしたいけど、家から通える距離じゃないと選べない」
「本当はキャリアチェンジに挑戦したいけど、家計に響くと思うとリスクは選べない」
「本当はもっと責任のある立場でバリバリ稼ぎたいけど、時間の制約があるから叶わない」

このように、家庭との両立で揺れ、「何か」を犠牲にして働いている女性が大勢います。

もちろん我が子は愛おしいし、「家庭のために」「将来の幸せのために」と必死に頑張っているけれど、どこかモヤモヤとしてしまう。それは「犠牲にしてきた自分」について、ふと考えてしまう瞬間ではないでしょうか。

このまま時間が過ぎて子供が大きくなるころには、自分は50代を過ぎている。そのころには「転職」や「キャリアチェンジ」は難しいかもしれない。私の人生、このままなんとなく今の仕事を続けていていいのかな。
そんな働くお母さんたちのリアルな声が聞こえてきそうです。

もちろん、仕事と家庭の両立に悩むことは、まったく悪いことではありません。それだけ「人生で大切にしたいものができた」ということでもあり、本当に素晴らしいことなのですから。

しかし、一方で世の中には、同じように家庭や仕事を両立しながらも、やりたい仕事やキャリアアップに挑戦し、自分を犠牲にすることなく過ごしている女性も少なからず存在します。とても不思議ではないでしょうか。

仕事と家庭の両立にモヤモヤと悩みながら過ごす人と、そうでない人の大きな違いは「どんな仕事をしているか」ではありません。「自分にとっての適職」がわかっているかどうか、そこに違いがあるのです。

仕事で人生を犠牲にする時代は終わっている。適職とは「理想の人生を叶える仕事」

ここでお伝えする「適職」とは何かと言うと、「理想の人生を叶える仕事」のこと。

つまり、「今の仕事を続けていれば、自分の理想の人生が叶うんだ」と心から思えているかどうか。実はこれが、仕事と家庭の両立に悩む人と悩まない人の大きな違いなのです。
現在地から「理想の未来」に向かって進むために、仕事を「手段」として捉えられているか、とも言い換えられます。

たとえば、もし「今は子育てで体力的にキツいからこの仕事しか選べないけど、この先どうしよう…。どんどん転職も難しくなってくるし、私、このままで大丈夫かな」という気持ちで今を過ごしているのなら、それは「理想の未来」につながる「適職」とは言えません。

しかし、「子どもが小学校に入るまでの5年間は働き方優先でこの仕事をして、教育資金100万円を稼いでおく。だけど、5年後に好きな仕事に就けるように、今は家事をしながらスキルアップの勉強をしておこう!」と明確にプランが描けているならば、今の仕事だって立派なあなたの「適職」なのです。なぜなら、今の仕事が「理想の未来」につながっているから。

多くの人にとって「適職」という言葉のイメージは「自分に向いている仕事」とか「情熱を持って長く続けられる仕事」といったイメージがあるかもしれません。
しかし、働くお母さんたちは、家事や育児、家族など、大切なものがたくさんあります。現実問題、「(性格や能力的に)自分に向いているから」というだけの理由で自由に仕事を選べるほど単純な問題ではないのかもしれませんよね。

だとするならば、「仕事」を通じて私たちが人生で大切にしたいすべてのものを大切にできるか。すなわち「理想の人生」を叶えられるか、と考えたほうが、納得のいくキャリア選択ができるようになります。

 

自分の人生を考える方法はシンプル。「理想の未来」を言葉にして口に出してみること

 

 

では、あなたにとっての「理想の人生」って、どんなものでしょうか。
とりわけ過去は変えられないので、現在地からどんな「理想の未来」を描くのか、ここを言語化することがとても重要です。

・仕事でバリバリ挑戦して、トップに上り詰めてみたい
・夢に見ていた北欧風の一軒家で暮らしたい
・夫と子供と家族3人で毎シーズン旅行を楽しめる生活がしたい

といったように、「理想の未来」は、人それぞれ違います。この「理想の未来」に誰かが決めた正解はありません。「こんなささいな答えでいいのかな」「人には恥ずかしくて言えない」などと思うことが出てきてもいいのです。

大事なことは、「100%自分の本音」で導き出すことです。誰にも見せることのないノートなどに、正直な思いを綴ってみてください。それができて初めて、「人生このままでいいのだろうか」というモヤモヤがきれいさっぱり消え、「この理想の未来に向けて目の前のことを頑張るんだ」と、「納得感」のある選択ができるようになるでしょう。

もし、これまで仕事選びの際に「(目先の条件や直感だけで)なんとなく仕事を選んできた」という方は、ぜひ一度「今の仕事は自分にとっての適職なのか(=続けていれば理想の人生が叶うのか)」と問いかけてみてくださいね。

次回は、「理想の未来」を叶えるために、お金につながる「自分の強み」の見つけ方について解説します。

 

 

 

『自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』土谷愛・著 1,650円(10%税込)/かんき出版

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