「私が不倫を楽しむ間」夫がこっそり自宅でしていたことは…【不倫の精算 ・リバイバル10】後編
後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。
不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。
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不倫の彼とは「とにかく身体の相性が最高なの」
「もうこの人しか見えなくなった」
とIさんから彼と肉体関係を持ったことを告げられたとき、真っ先に出たのは
「ねえ、旦那さんは大丈夫なの?」
という言葉だった。
そんなしらける言葉をもらったら、たいていの女性は高揚感に水をさされた不快感をあらわにするものだ。でも、Iさんは
「あ、うちの人?
平気よ、今は仕事が忙しいって、私とはろくに会話もしないもの」
と、気にもしない調子で返してきた。
続けて彼との情事を話してくれた。
とにかく体の相性がいいこと、自分がまだ“反応できる体”であった喜び、離れているときもLINEで愛の言葉がたくさん届くことなど、彼にのめり込んでいるのはよくわかった。
スマートフォンから流れる彼女の声には、以前のような明るさと力強さがあった。
それを承知の上で
「気をつけないとね。
周りが見えなくなると旦那さんの行動に気づけなくてバレる女性が多いから」
と、どこまでも“余計な一言”を止められなかった。
それでも、Iさんは
「ありがとう。
でも大丈夫よ、うまくやるから」
と、どこまでも前向きに夫の存在を見ているようだった。
不倫で私が不在の間、夫が自宅でしていたことは…
それからしばらくIさんから音沙汰はなかったが、久しぶりに着信があって出てみると、いきなり
「ねえ、夫のことなんだけど……」
と押し殺した声が出てきて驚いた。
まさか不倫がバレたのかと慌てたが、Iさんは意外な言葉を続けた。
「あのね、あの人、スマホでAVを観てたの。
この間家族で○○に行ったとき、夫が運転していて
『昨日調べたときにサイトを開いているから』
って言われて、スマホを渡されたのよ。
それで見たんだけど、AV専用みたいなアプリが開きっぱなしになっていて……」
それは夫についての“発見”だった。
タスクを終了するときに並ぶアプリの中にそれを見つけたIさんは、衝撃を受けたものの何も言わずに夫に返し、それから自分で調べたそうだ。
「……」
何も言えずにいると、
「若い女性の○○動画とか○○についての情報とか、何かもう、普通よりひどいっていうか……」
Iさんは苦しそうに続けた。
自分とはレスでありながら、そんな動画を漁っている夫。
セミダブルのベッドで毎晩横になる夫がいつそれを楽しんでいるのか想像もつかない、とIさんは話す。
「……不倫の彼と夜に会ってた? 今日は夜、何時まで帰らないってご主人に言って出かけることもあった?」
と尋ねると、I さんはあっと小さな声を漏らして、少し黙った。
「そうね、確かに最近は夜に、研修って嘘をついて家を空けるときもあったけど……」
動揺したままの声で、自分がいない空間で過ごす夫への想像を巡らせた。
「……」
この沈黙が、夫の“裏の顔”が、自分の不倫によって生まれたものかもしれない、という確信を物語っていた。
▶愛されていない証
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