いまいち不明な「異次元の少子化対策」、これから始まる育児世代のサポートには何があるのか

岸田総理大臣は、今年1月の施政方針演説で少子化について「我が国は、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれている」と述べました。政府からは「異次元の少子化対策」が発表されるなど、子育て世帯に向けた各種サポートを充実させる動きが目立ちます。

そこで、今回は今後拡充される子育て世帯向けの施策や現行の子育てをサポートする制度をご紹介いたします。

 

政府が掲げる異次元の少子化対策とは?

ポイントは3つあります。まず1つ目は「児童手当などの経済支援」、2つ目が「学童や病児保育を含めた幼児・保育サービスの拡充」、3つ目が「育児休業強化や働き方改革」です。

 

詳細は議論中で詳細は明らかになってはいません。ただ、1つ目に関して、現行の児童手当を拡充する話はあります。

 

具体的には、子供1人当たり原則、月1万円~1万5千円を、中学卒業まで支給している児童手当を高校まで延長したり、額を増やしたり、所得制限を撤廃したりする話が持ち上がっています。

 

この点、東京都が国に先行する形で、独自に18歳まで毎月5千を所得制限なしで支給する考えを新たに打ち出しています。

 

また、2つ目に関して、政府は保育所や幼稚園に通わない0~5歳の未就園児を週1~2日ほど継続して預かる事業への支援を2023年度に始めることも発表しています。

 

その他の少子化の拡充策

物価高騰などを背景に、学校の給食費の無償化や保護者負担を軽減する動きが各地で出ています。

 

例えば、東京都では葛飾区が、2023年4月より区立小中学校の給食費を完全無償にすることを決定しています。規模の小さい自治体だけでなく大きい自治体も含め、導入の動きがあります。

 

また、近時出産費用が増加傾向にあることを踏まえ、出産時に給付される出産育児一時金が、2023年4月から42万円から50万円に増額されます。

 

こちらは、特定の地域に住んでいる方が対象ではなく、健康保険に加入していれば給付されます。

 

すでにある子育て世帯向けサポート

検討されている施策以外にも探してみると、様々なサポートの制度があります。これからお子さんの出産をご検討のご家庭から、すでに子育てをされているご家庭向けの制度までいくつかご紹介します。

 

不妊治療の助成

2022年4月より不妊治療の保険適用が開始されました。今は不妊治療で高額な費用がかかりがちな体外受精などにも保険を利用できるようになり、具体的な金額としては原則として1回あたり30万円です。

 

児童扶養手当

先ほど取り上げた児童手当だけでなく、父母の離婚などで、ひとり親での生活にある児童(18歳に達する日以降の最初の3月31日までにある児童など)には、その監護している母もしくは父、または父母に代わってその児童を養育している方に対して、収入に応じて児童扶養手当が支給されます。

 

出産子育て応援ギフト

国が実施している「出産・子育て応援交付金」に基づいて、2023年より各自治体から、妊娠・出産それぞれにつき5万円の現金もしくはクーポン券が給付されます(詳細は各自治体のHPをご参照ください)。

 

出産手当金・育児休業給付金

雇用保険加入を条件に、産休や育休を取得した際に、原則としてお給料の一定額がサポートされます。金額としては、おおよそ日給の50%から67%程度が給付されます。雇用保険加入が条件なので、自営業者やフリーランスは対象外です。

 

幼児教育無償化・高等教育無償化

お子さんが生まれ、幼稚園、保育所、認定こども園等に通うとき、一定の条件(年齢、収入、対象施設)により、教育費の全額もしくは一部が無償となっています。

加えて、お子さんが成長し、高校や大学に通う際、世帯収入に応じて授業料や入学金のサポートや給付型奨学金を受け取ることができます。

 

子どもエコすまい

エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得等を目的として、子育て世帯や若者夫婦世帯が注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入する際に100万円、リフォームする際に原則として5万円から60万円補助されます。

 

自治体独自の子育て支援

子育て世帯向けのサポートとしては、国の制度に加え自治体独自のものもあります。

 

例えば、幼児教育無償化や高等教育無償化に関しては、国のサポートに加え自治体によって、上乗せの給付をしているケースがあります。その一例として、静岡県では県内の私立全日制高校にお子さんが在学している場合、県独自の授業料減免に関する上乗せの補助をしています。

 

他にも、国にサポートとは別に自治体独自のサポートをしているケースもあります。

 

例えば、東京都では、様々な自治体でベビーシッター利用の支援を行っています。

また兵庫県神戸市では、0歳から18歳到達後の年度末までのお子さんへの医療費助成をしたり、中学生以下のお子さんがいる子育て世帯に家賃の一部を支援したり、一定の条件を満たした子育て世帯向けに住宅取得や賃貸住宅への住み替え費用を補助しています。

 

まとめ

少子化対策は以前から問題として考えられてきた課題です。

 

政府で今後新たなサポートが発表される可能性がありますし、東京都のように国の動きと合わせて各自治体でも今後様々なサポート制度が出てくるかもしれません。

 

子育て世帯の方や今後お子さんの出産をお考えの方は、アンテナを張って利用できそうな制度がないか、ぜひ情報収集をしてみてください。

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