「ゆきぐ」ではもちろんありません。「雪ぐ」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「雪ぐ」です。
「雪ぐ」の読み方は?
「雪」とあると「ゆき」を読みたくなるところですが、「雪ぐ」の読み方は「ゆきぐ」ではありません。
まずは正解を見てみましょう。
正解は……
「すすぐ」です。「そそぐ」とも読みます。
「雪ぐ」とは
1 水で汚れを洗い落とす。すすぐ。
2 恥や汚名を新たな名誉を得ることによって消す。すすぐ。出典元:小学館 デジタル大辞泉
という意味で、「濯ぐ」とも書きます。
意外な読み方に感じられるかもしれませんが、以下に示す通り、常用漢字表に認められていないものの「雪」の訓読みです。
- 音読み セツ
- 訓読み ゆき(常用漢字表外)すす(ぐ)・そそ(ぐ)
「雪ぐ」の意味で用いられる「雪」がつく代表的な言葉には「雪辱」が挙げられます。
「雪辱」とは
恥をすすぐこと。特に、競技などで負けたことのある相手を破って名誉を取り戻すこと。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
ちなみに、「雪辱を果たす」「雪辱を晴らす」どちらの表現が正しいと思いますか?文化庁が発表した「国語に関する世論調査」では次のような結果が出ています。
2010年度 |
2019年度 |
|
雪辱を果たす |
43.3% |
38.3% |
雪辱を晴らす |
43.9% |
50.5% |
年々、「雪辱を晴らす」の回答率が上がっていますが、本来の言い方とされるのは「雪辱を果たす」です。「雪辱」と結びつく表現は「〜を果たす」のほか、「~を遂げる」「~を期す」「~戦」が挙げられます。
「〜辱を晴らす」という表現の先頭につくのは「雪」ではなく「屈」です。「屈辱を晴らす」が本来の表現です。
「屈辱」は
屈服させられて恥ずかしい思いをさせられること。はずかしめられて、面目を失うこと。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
恥をすすぐ「雪辱」と、恥ずかしい思いをさせられる「屈辱」では意味が異なりますね。
「雪ぐ」という表現を知ることで、「雪辱」の後ろにつくのが「〜を果たす」なのか「〜を晴らす」なのかが理解しやすいはずです。本記事をきっかけに、合わせて覚えていただけると幸いです。
参考文献:「雪辱を晴らす」という言い方は? | ことば(放送用語) – 放送現場の疑問・視聴者の疑問 | NHK放送文化研究所
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