【40女の恋愛事情】story2 私は彼の特別になれますか?-45歳・真由子の場合(2)-

2016.08.16 LOVE

Bokeh lights

冷静に考えれば、20も上の地味な女のことなんて、若い男の人が好きになってくれるはずもない。

でも毎回こうしてVIP待遇してもらえると、うぬぼれの気持ちが頭をもたげてくる。

もしかしたら彼も、私を好いていてくれるのではないだろうかと。

 

そう、気がついたら、私はすっかり彼にのぼせてしまっていた。

街に出ても、若く見えそうな服を探している。

彼の目に自分の顔が入るから、髪の毛にも気を使うようになった。

 

公園で二人で並んで座っている男女は、特別な仲に見えるかもしれない。

「誰かに見られたらどうするの?」

と彼に聞いたことがある。

 

「大丈夫ですよ。駅とは反対方向だし、みんなこっちには来ないから」

彼はそう言って微笑んだ。

その顔を見たら、もう、何もかもがどうでも良くなり、ただただ、もっと彼と一緒にいたい、と思ってしまうのだった。

 

ある日、彼が私に悩みを打ち明けてきた。

「今度の舞台はノルマが30枚もあるんです。でも、僕にはまだファンも少ないし、上京して2年だから都内に知り合いも少なくて、全部売れるかどうか……」

「ノルマをさばけなかったら、どうなるの?」

 

「売れなかったぶんは、自分で買い取ることになるんです。でもお金のことはどうでもいいんですよ。ただ、ノルマをさばけないと、その劇団の他の舞台に誘ってもらえなくなるんで、それが悔しくて。結構有名なところなんで、これからも、出たいんですよね」

 

その言葉を聞いた瞬間、私の頭の中が真っ白になっていた。

「いいわ。私が買うわ、その30枚」

そう口走った自分に、自分でビックリしてしまった。

 

【私は彼の特別になれますか?-45歳・真由子の場合(3) -につづく過去のまとめ読みはこちら/毎週火曜17時更新】

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