「お願い、私を見て…」不実な既婚男にきわどい写真を送信し続ける彼女の心の慟哭は【不倫の精算 ・リバイバル6】(後編)
欲はいつか飽きられる
「どこまでやるんだろうね」
食後に出されたコーヒーに口をつけながら尋ねると、I子は「さぁ」と肩をすくめた。
いや、「彼」じゃなくてあなたのことだよ、と思うがI子は気づかない。
「そのうちネタが尽きるよね」と笑う彼女だったが、ふと声が止まった。
見ると、両手を添えたコーヒーカップを覗き込むI子の顔は真顔だった。「馬鹿みたい」。ぼそりとつぶやく声は低く、視線はテーブルに置かれたスマホに流れる。
「写真なんかどうでもいいんだけどさ。どうせほかの女にも同じことさせてると思うし」
I子の様子に変化があったのは、彼に自分以外の女性がいることを知ってからだった。ホテルで過ごしているとき、スマホに通知や着信が来ると彼は決まってトイレに入った。一度気になって聞き耳を立てたそうだが、そのとき漏れてきたのは「お前だけだよ」とささやく彼の猫なで声だった。
▶「彼が付き合ってるのは私だけじゃない」