
「私が不倫を楽しむ間」夫がこっそり自宅でしていたことは…【不倫の精算 ・リバイバル7】(後編)
目をそらす自分の本心と、ままならない現実への葛藤
Iさんが体の不調を訴えはじめたのはそれからだった。
「あれから不眠が続いていて」
「食欲がなくて、子どもたちのご飯を作るのがやっと」
など、Iさんからメッセージが送られてくる。
不倫の彼との情事から一転して調子の悪さを伝えるものになり、
「彼とは職場で会うだけにしてる」
「誘われても家を出るのが怖くなって」
と、不倫の彼との関係もおぼつかない流れに変わっていた。
「AVを見る夫」より「不倫相手がいる自分」のほうが、言い方は悪いが“上”。
一瞬はそんな考え方もしていたはずのIさんだが、そんな気持ちがどれほど不毛か、かえって自分の価値を貶めることになるか。時間が経つほどに彼女の心を追い詰める。
彼女は気づいていない。
本当に夫への愛情をなくしているのなら、AVを漁っていることがわかっても嫌悪感だけで終わるのだ。
そこにショックを感じ、動揺し、自分を振り返ってやっていることの重さに打ちひしがれるなら、「女である努力」を認めてほしい相手は本当は誰であったのか。
だが、認めてほしい相手はまったく意図しない方向で性を楽しんでいた。
不倫の彼と楽しめなくなったのは、そのつながりの空虚さを誰よりも実感したからだ。
「……」
今日、目の前に座るIさんは不倫の彼への情熱こそを失い、「夫から振り返ってもらえない自分の痛み」をまとっていた。
不眠の解消も、心臓の動悸を改善するのも、自分にしかできない。
彼女の苦しみをただ耳にしながら、葛藤の先で彼女が今度こそ自分を救う判断ができることを、願うばかりだった。
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この記事は2021年3月に初回配信されました。
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