45歳にもなって不倫相手にその態度は…幼稚すぎる女の末路【不倫の精算リバイバル・8】後編
制御されない「怒り」とは、基本的に幼稚なものである。それがわからない45歳
Xさんの、フォークを握る指に力がこもっているのがわかる。
そうだ、こうやってすぐに怒りを見せるから、それをためらわない人だから、返す言葉には慎重になっていたのだ。
だが、もう遅い。
「私なら、好きな人と一緒にいるときに、別の男の話はしないですね」
「それは」
こちらが言い終わるとすぐに言葉を返すのもいつものことで、言われたことを深く考える余裕のなさが伝わってきた。
「何よ、私が悪いってこと?」
低い口調でつぶやく。
過程をすっ飛ばしていきなり結論を求める。
自分を否定されたと感じると、話の本質より善悪を決めることに囚われる。
不倫相手である既婚男性の前でも、こんな姿を晒していたのだろう。
こうなると、もうまともな話し合いはできない。
険悪な空気を撒き散らすXさんの姿に、食欲が失せた私はフォークを置いた。
不倫相手との別れについて話すはずだったが、たった一瞬でその機会は消えた。
相手が何を以て別れを決めたかは、本人に確認するしか真実を知るすべはない。
言えるのはそれだけだったが、おそらくそれをXさんが知ることはないだろうな、と伝票に手を伸ばしながら思った。
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