「年下の不倫相手」がいても孤独…。40代女性がハマる偽物の愛【不倫の清算・リバイバル12】(後編)
「一線」を超えるのも時間の問題だよね、と言うと
「わかってる。でも怖いよね、がっかりされたらどうしようって……」
頷きながらため息をつくE子だが、違和感は別にあった。
E子の中に、夫への罪悪感が見当たらないのだ。
肉体関係を持つことは、すでにE子にとって了解済みになっている。彼女が心配しているのは、ベッドを共にすれば本当に不倫関係となり、社会的に不利な状況になることではなく、「彼が自分との行為に満足してくれるかどうか」だけだった。
そこに、夫を裏切ることのためらいは見えない。
仮面夫婦であることの悩みはずっと聞いていたが、今のE子からそのときの翳りは消えていた。だが、新しい「悩み」が大きな間違いへの一歩になることを、E子自身気がついてはいない。
仮面夫婦からほかの男性との不倫関係に走る話はよく聞くが、その過程で一番ないがしろにされるのは夫である。
だが、彼女たちからすれば、これまでさんざん自分たちがないがしろにされてきたのであって、「不倫に走ったのは夫のせい」と思っていることもまた、事実として横たわっている。
この齟齬が埋まらない限り幸せな結婚生活を取り戻すことはできないが、そこには長い道のりと、避けられない痛みが待っていると言わざるをえない。
>>>つづく
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この記事は2018年1月に初回配信されました