ひどすぎる。「モラハラ夫から逃げられない妻」が常に受けている戦慄の洗脳の正体、これは戦場か
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。経済的に自立した「働く女性」であってもなお逃げ切れずに苦しむ夫のモラハラについて、長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。
モラハラ夫と離婚できたのに、再婚相手もモラハラだったと言うお話をよく聞きませんか? モラハラ被害者の男女は相手に反論をせずに、相手の言うことを認めてしまい、自分が悪いと勘違いして考える傾向があるので、モラハラ男のターゲットになりやすいのです。Cさんもその一人、一度は離婚して家を出て住み込みの仕事をはじめますが、一人で暮らしてくことに不安を覚えて再婚を選びます。
前編記事『モラハラ男と再婚してしまった。「君を大切にする」と説得されたのに「君たちがきたせいで俺の家が汚れる」と言い放たれる』に続く後編記事です。
また住み込みの不安な暮らしに戻るくらいなら、私はここでモラハラを受けていたほうがマシ
Cさんは再婚した夫がモラハラ男だとを認識した後も、我慢をすることを選びました。出産後に衝動的に離婚をした結果、母には迷惑をかけ、住むところがないトラブルに直面したと感じていたからです。
なんとか住み込みで働ける場所を見つけたものの、逆に住み込みの状態で子どもを連れてシングルで仕事をすることの大変さを思い知り、将来への不安感が増大する日々だったと振り返ります。その時のことを考えると、今の状態でも仕事をしなくても生活ができる、子どもと暮らせることにまだ幸せを感じられたのです。
「再婚夫のモラハラ度合いは、以前の夫よりも酷いものでした。私に対して精神的苦痛を与えるのが快感なのでしょうね、貶める言葉は日常茶飯事でした。『お前は何もできない』『意味がわからない』『だから離婚されたんだ』など、ことあるごとに私に浴びせるのです。その上、脅迫的な言葉『これをやっておかないと、離婚するぞ』『お前の子どもは俺の子どもじゃないから学費は出す必要はないんだからな』と言うのです」
離婚をされると今度こそは行くあてがありません。また、娘は夫とは血が繋がっていません。子どもを育てられるのは今の夫の経済力のおかげだと考えていたCさんにとって、離婚するぞ、子どもを養育しないぞという脅しは一番怖い言葉でした。
「私を無視するのはいつものことです。無視されたくないと懇願すると、ニヤッと笑いそれでも無視を続けます。夫の会社の従業員の前では私が何もできない女、子どもと二人で野垂れ死しそうだったから自分が仕方なく拾ってやったんだと話すのです。少なくとも私は働いていたのですが」
Cさんはどんなことを言われても、どんな態度を取られても耐えることを決めていました。夫が四六時中モラハラ夫だったら頼る場所もないこの状況でも離婚も考えたのでしょうが、モラハラの特徴であるハネムーン期の存在がCさんを支えてしまっています。ハネムーン期にはこの夫も、本当に人が変わったように優しくなるのです。
「夫は説教という名の私への攻撃がストレス発散になっているようでした。夜中私に正座をさせ『今から説教だ』と言い、『お前はやる気がない』『俺を馬鹿にしている』『俺を敬っていない』『養ってもらっているのに感謝がない』と同じようなことを4時間も言い続けます。全ての言葉に対して『そんなことはない』『あなたはた大切な人です』『いつも感謝しています』『行くところのなかった私たち親子を救ってくれたのはあなたです』と答えていましたが、それでも夫は説教という名目の攻撃を続けるのです」
足が痛くなり、睡魔にも襲われますが、Cさんはじっと耐えます。夫が疲れたらこの状況は終わる、今我慢すれば解放されるとそればかり考えているそうです。夫が言うだけ言って満足して布団に入った後、いつもCさんは悔しさや悲しさよりも安堵感でいっぱいになるそうです。この恒例の説教タイムが終わると、決まって翌日の夫は本当に優しくなるからです。
「前日の暴言が嘘のように『好きなもの買っていいよ』『娘ちゃんにはこのピンクの洋服が似合うよね』『本当にこんなに可愛い娘がいて俺は幸せだ』『何が食べたい?君の好きなものを食べに行こう』と私と娘に本当に優しく接してくれるのです。説教タイムが終わると優しくなるとわかっているので、私は夫を恨む気持ちもありませんでした。」
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