ちゃんと考えてる? 子どもがいない人生のライフプラン【おこなしさまという生き方 Vol.9】

2016.08.07 LIFE

「結局、私は子どもがいない人生が合っている」

なんていうか、「子どもがいなくて良かった」ではなく、「合っている」がしっくりくる感じ。それは自分の性格、ライフスタイル、望む環境などを考えると、ママになるより“おこなしさま”の方が自分の生き方と相性がいいことに気がついたからです。

「四十にして惑わず」 迷いを捨て始める40代

20代・30代は、結婚するのか、子どもを産むのか、もっと仕事を頑張っていくのか、色んな面でまだ確定できない部分があって、悩んだり迷ったりする時期。それが40代以降になると、今後の方向性が何となく見えてきて、迷いを捨てる時期に入っていきます。

子どもがいない人生の受け入れ方は個人差があると思いますが、色々あっての“おこなしさま人生”。後悔はできるだけ減らして、人生の後半戦に向けて一度立ち止まってみませんか?そして、方向性に合わせてライフプランを再検討し、笑って過ごせる未来を目指しましょう。

厚生労働省の「平成 27年簡易生命表」では、日本人の平均寿命は男性が80. 79歳 、女性が87.05歳。40代だと人生が約半分過ぎたあたり。時間の流れは、歳を重ねるごとにスピードを増して感じるという。このまま深く考えずに進んで行くと、いつの間にか高齢者になり「ああ、もっとちゃんと準備しておくべきだった」と悔やんでも時は戻せません。

 

一番欲しいものはやっぱり「お金」!?

博報堂生活総合研究所が2016年、60~74歳を対象に実施した「シルバー30年変化」の意識調査によると、現在欲しいものは「お金」と回答した人が41%。1986年の時は28%だったので、13ポイント上昇。対して、「幸せ」と回答した人は16%で、1986年の 31% と比べるとマイナス15ポイント。お金が幸せを上回る結果に、思わず「はぁ~」とため息が出てしまいました。

とはいえ、平均寿命が延び老後が長期化していくと、生活の土台となるお金がそれなりに必要になるのも事実。趣味を謳歌するのも、旅行に出かけるのも、お金がないと楽しめません。命の寿命と健康寿命は同じではないので、医療費や介護費用のことも考えておかないといけない。この先、社会保障や生活の見通しが不透明な状況下で、まずは先立つものとして、現実的なお金を求める気持ちがデータから垣間みえます。

子どもがいない“おこなしさま”は、子どもがいる人より老後資金を多めに準備しておいた方が安心です。なぜなら、様々なサポートを外部に頼ることになるからです。

 

浪費をしすぎていませんか?

そんなことを言っている私自身、今まで「子どもがいない分、自由に使える!」と思っていたので、欲しいものはすぐに買ってしまう浪費癖がありました。クセはそう簡単に直るものではないので、現在も矯正中なのですが、以前と違うのは「子どもがいないからこそ、老後にお金が必要だ」と分かったこと。

子どもがいないと自由に自分のペースで歩んで行けるけど、その分のリスクは自分で取らないといけない。このまま消費体質が変わらないと老後の資金不足に陥ることになるので、徐々に出費を抑える習慣を身につけておきたい。まずは、子どもの有無でライフステージが違うため、改めて“おこなしさま人生”に合わせたライフプランを見直すことが第一歩です。

 

ライフプランに応じた見直しを

独身の場合、老後はひとり分の年金しかないため、これから先しっかり貯蓄しておくが重要です。夫婦のみの場合、将来どちらかが先に亡くなった時や介護が必要になった時のために貯蓄を増やしておく。結婚や離婚などで現在の状況から変化した場合は、その都度見直せばよいんです。いずれにしても“おこなしさま”は自分自身にお金をかけてしまい、支出が膨らみがち。今後は、無駄な支出を減らすための対策は必須です。

随分前に加入した保険、見直しや手続きが面倒でずっとそのままになっていませんか?貯蓄も余ったら預金に回す程度で、無計画ではありませんか?この先、住まいは賃貸でいくのか、購入するのか。すでに住宅ローンを支払っているなら、返済方法は人生設計と合っていますか?公的年金の他に、私的年金の検討をしていますか?また、退職後も何かで稼げるような準備をしていますか?

 

健康や介護のことも考える時期

それから、健康な身体を維持していくことも“おこなしさま”には重要事項。入院や手術が必要になった時に、家族や身内がそばにいればいいけど、子どもがいない私たちは病気で倒れてしまうとちょっと厄介。また、子どもを産まなかった女性がかかりやすい病気のリスクもあるので、健診等で小まめにチェックしておきたい。健康でいることは、結果的にも資金の節約につながります。

さらに、自分のことだけではなく、年齢的に親の老後が気になり始める頃。私たちは老後に気にかけてくれる子どもはいないけど、親に対してのサポートは何らかの形ですることになるはず。まだまだ元気だと思っていても、いつか支援や介護が必要になる日がやってきて、場合によっては親の介護費用や援助でお金がかかることも考えられます。

“おこなしさま”は子どもがいる方に比べると、節約に対して無頓着になりやすい。そのため、これから老後のためにお金を貯めなきゃいけないと思うと気が重くなりますが、お金は自分らしく生きるための武器ともいえます。その便利な武器をうまく使って、幸せなシニアライフを手に入れたいですね。

 

男性よりも長生きをする女性だからこそ

定年延長した65歳から女性の平均寿命87歳まで生きるとして、約22年。また、内閣府が発表した「平成27年版高齢社会白書」では、2060年の平均寿命は男性84.19歳、女性90.93歳と予測されています。長生きすればするほど生活費等は必要になるため、あてになるお金が目減りしそうな公的年金だけでは心細い。

加えて、厚生労働省の2015年住民基本台帳に基づく調査では、100歳以上の高齢者が全国で6万人を超え、45年連続の増加。しかも、100歳以上の高齢者の割合は約87%が女性。子どもがいなければ最後は「女ひとり」で幕を閉じる確率が高いのです。

最近、髪のツヤより白髪が気になり始めてきた。笑うと目尻の小ジワが目立つようになってきた。気のせいにしたいけど、細かい文字が見づらくなったなど、老化現象が目立ち始めたら、そろそろ人生の後半に向けて準備を始めるサイン。次は“おこなしさま”に適切なライフプランについて、具体的に検討していきます。

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