徳川家康「人心掌握」のためなら裏切りも水に流す!? 戦国最強のタヌキ親父が「最後に笑った」これだけの理由
父祖の地から始まり、長年にわたって拡張してきた領国を遷されるのは、石高は大幅加増とはいえ相当な難事業でした。しかし、家康は関東への国替えによって、徳川家臣団を再び統率し直しました。重臣たちを長く支配する土地と領民の地縁から引き剥がすことで、軍団の再編成と徳川家への忠義の地固めをするきっかけにしたのです。
過去の家臣の裏切りやダメージ、さらには苦労して手に入れた土地にさえ、家康はこだわりませんでした。きっぱりと「執着」を手放していく家康の切り替えの明快さも、がんばりすぎない生き方のひとつのかたちといえそうです。「とりあえず次!」という未来志向は、変化の多い今の時代にも重要かもしれませんね。
『読むとなんだかラクになる がんばらなかった逆偉人伝 日本史編』加来耕三・監修、ねこまき・画 1,540円(10%税込)/主婦の友社
逃げる(桂小五郎)、泣きつく(足利尊氏)、人まかせ(徳川家綱)、スルーする(和泉式部)、世間を気にしない(前田慶次)、投げ出す(上杉謙信)、がまんしない(坂本龍馬)、こだわらない(徳川家康)、嫌われ上等(石田三成)、日常生活を放棄(葛飾北斎)、趣味に生きる(徳川慶喜)、本業やる気なし(足利義政)…など、いろいろなパターンの「がんばらなさ」を発揮した25人を収録。
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