「すます」ではありません。「済す」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「済す」です。
「済す」の読み方は?
「経済」や「返済」、「済む」や「済ます」など、「済」は日常生活に馴染み深い漢字といえます。ただし、本記事で紹介する「済す」の読み方は、表題にもある通り「すます」ではありません。
「済」には表外読みを含めてさまざまな読み方があります。本記事を通じておさえておきましょう!
正解は……
「なす」です。
「済す」とは
1 借りた金品を返す。返済する。
2 義務を果たす。果たす。税などを完納する。出典:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
「済」という漢字には
①すくう。たすける。
②すむ。すます。
③なす。なしとげる。
④わたる。わたす。
⑤数が多く盛んなさま。出典:済|漢字一字|漢字ペディア
という意味があります。
「済す」と同じ読み方をする言葉に「済し崩し(なしくずし)」と読みます。どこかで一度は聞いたことがある言葉なのではないでしょうか。
「済し崩し」は
1 物事を少しずつかたづけていくこと。
2 物事を少しずつ変化させ、うやむやにしてしまうこと。
3 借金を少しずつ返すこと。
出典:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
「済す」の意味1にも“ 借りた金品を返す。返済する”とある通り、「済し崩し」もまた元々は借金の返済に関連する言葉です。少しずつ片付けていくこと、特に借金を少しずつ返すことを表します。
ですが現在では、“物事を少しずつかたづけていくこと”や“物事を少しずつ変化させ、うやむやにしてしまうこと”といった意味で用いられることがほとんどです。
そして、言葉というのは時代とともに変化していくものでもあります。文化庁が発表した平成29年度「国語に関する世論調査」によると、「借金を済し崩しにする」の本来の意味は“借金を少しずつ返すこと”ですが、調査結果によると
- 「少しずつ返していくこと」で使う人 19.5%
- 「なかったことにすること」で使う人 65.6%
という数値が出ています。確かに私も「済し崩し」を「なかったことにすること」と使っていたことがあります。「済す」という漢字ではなく、「なし」という読み方に意識が引っ張られているのかもしれませんね。
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