エリート銀行員たちの驚きの恋愛事情。「火遊び」のつもりが大火災に!?暴かれた男の「正体」とは (前編)
過去に彼を襲った悲劇とは?
「飲み会の途中で、彼の息子さんが自ら命を絶っていたとの話を打ち明けられました。生きていたら、大学生だったみたいです。彼が単身赴任をしている最中の出来事で、奥さんはそれ以来ショックで実家に帰ってしまったとのことでした」
共感性の高い千尋さんは、つらい話を聞いて胸が痛くなりました。
無意識に「何かできることはない?」と聞いていました。そうしたら彼はこう答えました。
「昨日は息子の命日だったんだけど、金融庁の検査が入ったから、お参りに行けなかったんだ。そしたら妻から絶縁されてね。一人で夜をこすのは辛すぎて……。だから今夜だけでいいから、一緒にいてくれないかな?」
千尋さんは断れませんでした。断ったら、自分が悪人のような気がしてしまったのです。
「彼が連れて行ってくれたのは、六本木のある場所でした。そこは一見外から見たらワンルームマンションのように見えますが、中に足を踏み入れてみるとラブホテルでした」
部屋の中はモダンな和風の作りで、外に露天風呂もあり、普通のラブホテルのようには感じられません。品の良いおばあさんの家のような風情すらありました。
「彼にどうしてこんな場所知っていたの?と聞くと、『前にこの近くに住んでたんだ。近所のマンションがそのままラブホになったって、話題になったんだ』と返されました。
その言葉を、彼女は信じていました。
しかし後になって、これは全て布石だったと気づくのです。
「ムードは抜群、六本木の夜景をバックに……」
この記事は
作家・ライター
綾部まと
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