理想通りの人とお見合い。なぜか気持ちが沈む…その原因はウソの「理想の人リスト」にあり?

2024.01.18 LOVE

「理想どおりの条件の人」に出会ったのに心が動かない理由

F美さんは、43歳の地方公務員。かわいらしい雰囲気の女性です。職場では、チームリーダーとして責任ある仕事を任されています。

30代後半から約5年間、結婚相談所に登録して婚活をしていますが、いまだに結婚相手に巡り合えていません。

「このままでは、誰とも結婚できないんじゃないかと不安です」と、私の婚活塾に相談に来てくれました。

話を聞いてみると、F美さんは最近、理想どおりの条件を備えた男性とお見合いをしたそうなのです。

ところが、実際にお相手に会って話してみると、心が動かず、むしろ気持ちが沈んでしまいました。

「この人を紹介したら、母は喜ぶだろうな、とは思いました」とF美さんは言います。

 

「でも私は、一緒にいても楽しいと思えないんです。会っているうちに気持ちが変わるかもしれないと思って、何度か会ってみたのですが、苦痛が深まるばかりで…」

F美さんの言う「理想どおりの条件」は、次のようなものでした。

・公務員など、安定した職業についている

・結婚後も頻繁に実家に帰れる距離に住まいがある

・長男はNG

・清潔感がある

・誠実な人柄

・貯金がある

・年齢が近い

 

 

その「理想の人リスト」は親や世間の「理想」ではない?

一見よさそうな条件ですが、私が気になったのは、F美さんの「母は喜ぶだろうな」という一言。

「その理想の人リスト、F美さんの本心ですか?」そう尋ねると、F美さんはしばらく考えて、こう答えました。

「もしかすると、私ではなくて母の理想の条件かもしれません」

 

F美さんは長女で、実家で両親と同居しています。弟さんがいますが、すでに結婚して家を出ているので、もう10年近く両親との3人暮らし。

母親は専業主婦で、事あるごとに「結婚するなら、安定した職業の人がいいわよ」「長男の嫁は大変よ」と、F美さんにアドバイスをしてきます。

心配性で、過干渉気味。帰宅時間にも厳しいし、これまでF美さんがおつきあいをしようとする相手に対しても、厳しい目を向けてきました。

留守中にF美さんの部屋に入って、勝手に日記を読んでしまい、親子げんかになったこともあるそうです。

 

F美さんによると、母親は父親に対して長年不満を抱いていて、口を開けばグチをこぼしています。その内容は、家族に相談もしないで転職をした、姑に干渉されてつらかった、家事も育児も手伝ってくれなかった、などというもの。

今も父親は言葉が足りず、身勝手な行動をするので、両親は口げんかが絶えません。見かねたF美さんが仲裁に入ることもしょっちゅうで、「もし私が家を出てしまったら、お母さんがかわいそうで…」と心配しています。

 

 

婚活の前に親との「共依存」を卒業する

shutterstock.com

F美さんと母親の関係は、典型的な「共依存」。仲のいい母娘には珍しくありません。

気づかないうちに母親に「理想の結婚相手」を刷り込まれていて、それをF美さん自身の理想だと思い込んでしまっています。

F美さんが思い描いているのは、いわばウソの「理想の人リスト」。だから、理想どおりの人が現れても、心が浮き立たないのです。

 

必要なことは、まず母親と心理的に離れることです。

そもそも、両親が不仲というのも、F美さんの思い込みかもしれません。これまで離婚や別居をしないで暮らしているのだから、お互いを必要としているのでしょう。口げんかが元気の源になっている老夫婦は意外と多いもの。

そもそもF美さんは、仕事でほぼ1日中不在なのですから、もしF美さんが家を出たとしても、2人はそれなりにやっていけるのではないでしょうか。

 

「お母さんは、今のままで十分幸せなんですよ」

そう話すと、F美さんは「確かにそうかもしれません」とうなずきました。

次にF美さんがやるべきことは、本当の「理想の人リスト」を作ることです。

「理想の人リスト」は、婚活にはなくてはならないものです。

よく「この歳でぜいたくを言うと、出会いの幅が狭まるのでは」「そんな人が、私を選ぶはずがない」などと言って、「理想の人リスト」を作ることを躊躇する人がいますが、そんなことはありません。

 

つづき▶【後編】では、「理想の人リスト」の作り方と、そのときの大切なポイントについて解説していただきます。__▶ ▶ ▶ ▶ ▶

 

 

 

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