白昼堂々ホテルへ…。小さなコミュニティで不倫バレし、居場所をなくした38歳女性の末路は(前編)
避けられなかった「指摘」
マスターとの関係は、奈々より以前から常連として通っていたひとりの女性の「指摘」によって崩れた。
「ちょっと距離が近すぎるんじゃない?」
その女性が堂々と奈々の前に立って口にしたとき、お店にはほかにもお客さんもいて、まず慌てたのはマスターだったという。そのとき奈々はいつものようにカウンターの端の席に座っていて、マスターが注文の皿を置こうとするのを手伝おうとしていたところだったそうだ。
マスターは「明らかに嫌味だとわかる口調で」奈々に文句を言ってきた女性の前に行き、「そんなことはない」「彼女は好意で手を伸ばしただけ」と必死に説明したが、女性はそれからも「べたべたしすぎ」「見ていて気持ち悪い」とマスターではなく奈々に向かって言葉を吐いた。
「頭が真っ白になっちゃった」
と、そのときのことを思い出して奈々はつぶやいていたが、いきなりぶつけられた悪口や周囲の客が興味津々で注目していることに猛烈な居心地の悪さを感じたことは、想像がついた。その人はマスターが言うには「数年前から通ってくれている既婚の女性」で、 “新参者”の奈々の態度が目に余ったのだろうと思った。
奈々は女性に何も言葉は返さなかったそうだが、マスターが「一杯おごるから」と女性をなだめて席に戻すのを見て「いい気分じゃなかった」と言った。嫌味を言われてショックを受ける自分よりその女性の機嫌をとることを優先されたのが許せなくて、その後ですぐ代金を払い店を出たという。
次の日、マスターから電話がかかってきて「しばらく店に来るのは控えてほしい」と言われた奈々は、「もういい」となり、そのまま関係を切った。
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