なんでこんなに小さいサイズ…?お茶の伊藤園が敢えて「女性用の炭酸水」開発に踏み切った「深すぎるワケ」
フェムテックから概念を一歩進め、性差分析に基づいた科学的アプローチで女性の健康を支援していく概念「ジェンダード・イノベーション」。この最先端がわかるイベントが、東京ビッグサイトで22日まで開催中の「ジェンダード・イノベーションエキスポ2024」です。会場で気になった展示をご紹介します。
女性の行動と嗜好の分析から生み出された新しい炭酸水
「従来はお酒の割り材だった無糖の炭酸水が、ここ数年で女性にも飲まれるようになりました。着目の1つめは、夜寝る前、お風呂上りの女性が、リフレッシュ、リラックスのために飲んでいるという傾向です」
こう語るのは伊藤園 マーケティング本部 永坂優佳さん。
「もう一つ、私のチームのマネージャーは女性なのですが、40代に入ると女性はひざの痛みが気になり始めるのよ……と話していたこと。たとえば信号待ちのあと、歩き出そうとして、ぴきっと傷むというのが日常的にあるそうなのです。自分でこうした変化に自覚はあるけれど、その気持ちに対応する商品はないよね?という気づきがあって」
この製品「グルコサミン炭酸水」にはN-アセチルグルコサミンが配合されています。背景には、若いころから対策を始めてほしい、毎日の生活で気軽に続けられるルーティンを作りたいという思いが。
「グルコサミンは知名度の割にサプリメントでしか摂取できないイメージがあります。また、シニアのサプリというイメージも強いため、40代に向けた商品であっても、まだ私はシニアではないと感じる可能性があります。そこでもうひとつ、肌のうるおいに役立つという機能にも着目しました。肌は女性なら誰でも気になるので、これをフックにすれば届けられると考えたのです」
でも、お茶の伊藤園が、なぜ女性向け炭酸水を?
「グルコサミンのイメージを変えたいから。膝だけではなく肌のうるおいにも関係するという点をお伝えしたかったんです。伊藤園は確かにお茶がいちばん有名ですが、健康創造企業になるため機能性表示食品を増やしていこうとしています。誰にどんな商品を届けるか考えたとき、女性に特化した機能性表示食品は外せません」
特徴的な200mlのアルミ缶というサイズは、寝る前に飲み切れる量を想定しているため。確かに、500mlペットボトルの炭酸水は飲み切れず、ベッドサイドに置きっぱなしになりがちです。
「無糖で、ゆったり落ち着いたシーンに人気の高いベルガモットのフレーバーです。リラックスタイムに、普段の飲み物からこれに置き換えるだけで膝と肌のケアができる、他にない製品です。ぜひいろいろな方にお試しいただきたいです」
働く女性の手助けになる商品が増える中、従来の生活者のみなさまへのアピールにとどまらず、エキスポへの出展を通じてこのようなフェムケアに関心のある流通・小売りを中心とした企業さんとつながりたい、と意欲を教えてくれました。
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