29歳夫、レス3年。これ以上子どもを作りたくない妻が告げた「衝撃のひとこと」とは

2024.02.25 LIFE

日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入しています。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。

これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。

前編記事『29歳夫、レス3年。14歳のときから一途に大好きな妻に「断られる」やるせなさの背景とは【無子社会を考える】』に続く後編では、ケンジさんが妻に言われたひとことと、その事情を。

【無子社会を考える#3】後編

まさか…レス解消のために妻が提示した「必須条件」に息をのむ

中学時代の同級生に長く求愛を続けやっとゴールインしたケンジさん。3人の娘さんにも恵まれていますが、現在3歳の末の子が生まれたあとはレスが続きます。何度となく妻を求めた結果、妻は驚くばかりの言葉を告げました。

 

「実はね、妻に、夫婦の営みがしたければパイプカットしろっていわれてるんすよ、マジで! いやぁ話しちゃったなぁ、これは秘密ですよ! って取材だもんなぁ(笑)」

 

もともと夫婦で性欲に差のあるケンジさん夫妻、妻はケンジさんとの営みを完全に拒否しているわけではないものの、その条件としてパイプカットを求めています。ケンジさん自身、ピルなど少しでも妻の側の身体に副作用が出る可能性がある方法は望んではいないとのことです。

 

「僕はパイプカット自体は抵抗ないですよ、子どもももう3人いますし。ただパイプカット後は浮気しても妊娠しないので、妻は不安になんないかなぁとか妄想しちゃったりして(笑)」

 

パイプカットに抵抗はないと力強く語ってくれるケンジさんですが、実際に病院に行ったりはしていないようです。

 

もしかして、夫婦の間に「わかりあえていないこと」があるのでは

「妻にとってセックスは妊娠がゴールなんですよ。ただね、僕にとってセックスはパスであり、シュートであり、ゴールなんすよ、この意味わかりますかね(笑)」

 

取材を通じてケンジさんが本音をぶつけてくれていることはよく分かりました。けれど、ここで疑問が生じました。

 

もしかしてケンジさんの奥様は、セックスのゴールは妊娠とは思っていないのではないか? おそらくセックスを拒否する最大の原因は、予定外の妊娠が怖いからです。そうでなければケンジさんにパイプカットを勧めることなどせず、ただ無言でレスを続けるはず。そう感じたので、その旨をケンジさんに率直に伝えてみました。

 

「僕、もしかしたらメチャクチャ勘違いしてたのかもしれないっすね。確かにそうですわ! パイプカットについてちゃんと調べてみます。そのこと自体、妻としっかり話していたかというと、そうではないので」

 

もしかしたら、ケンジさんだけでなく、他の何割かの夫婦も同様に、セックスレスの原因は夫婦の会話のなかにある些細なボタンの掛け違いなのかもしれません。これまでにも気になることがなかったか、ケンジさんに聞いてみました。

 

「うーんと、正直いっぱいあるっすね(笑)。日頃から妻には話を聞いてないと注意されることが沢山あるので、これは僕のコミュニケーションの問題なのかもですね、全然気付いてなかったぁ~!」

 

コミュニケーションが原因のレスならば、解決策を見出すこともできるのかもしれない

取材中、終始明るいケンジさんは根っからのポジティブな人間性を持っているように感じます。そんなケンジさんに今後の夫婦生活や目標について聞いてみました。

 

「なんだかんだ妻あっての僕ですし、妻のおかげで3人の娘と出会えました。それはマジで感謝してます。あとはそうだなぁ、やっぱり妻が大好きなんですよね。その気持ちは全然変わらないです。だからレスについてもパイプカットはひとつの手段だと思うので、とにかく妻が精神的にも安心するような環境を作ってあげないとですね」

 

取材を通じて、ケンジさんの課題がひとつひとつ明らかになるにつれて、ケンジさん自身も悩みがクリアになったようです。

 

「ちょっと取材前は不安だったんですけど、やっぱり男って友達の前だとカッコつけて話せないことってあるじゃないですか。だから本当に良い機会になったっすね!」

 

レスの原因は千差万別であり、それはEDなどの身体的な理由だけでなく、夫婦間のコミュニケーションにも原因の一端があることが、今回は浮き彫りになるエピソードとなりました。

 

ケンジさんが今後どのような選択をするのか、また時間を経て改めて取材できればと思います。

 

>>>前編『29歳夫、レス3年。14歳のときから一途に大好きな妻に「断られる」やるせなさの背景とは【無子社会を考える】

 

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