
「12歳年下の男」に口説かれて…。勝ち組女性が溺れた不倫沼と、その末路【エリート銀行員たちの不倫事情】後編
昼過ぎにA社のエントランスで、慎也さんと待ち合わせしました。既に来ていた彼を見かけてがっかりしたのは、背が低かったこと。しかし声の出し方や表情の作り方は、電話で聞いていた通りでした。
緊張するマキさんに、慎也さんは『大丈夫ですよ。僕がいますから』と言って、手を握ってくれました。男性から手を握られるのなんて、思い出せないほど昔でした。『手、小さいですね』と微笑む彼に、心音が高まります。それは交渉だけが原因ではないことは、しばらく恋愛をしていない彼女にも分かりました。
「親会社の銀行担当者も来てくれたことで、相手の担当も心なしか嬉しそうでした。銀行のお客さんって、課長や支店長など担当者より上の人を出してもらうと、嬉しそうにするんですよね」
自分が大切にされていると思うからなのでしょう。「それは私も同じだわ。今まで私のことを大切にしてくれた人なんて、いなかったから……」と、彼女は思っていました。握られた手が離された後も、その考えは頭を離れませんでした。
A社との交渉は、和やかな雰囲気で終わりました。「前向きに検討していくね」とにこやかに握手を交わせて、手ごたえもありました。『じゃあ、これで』と彼女が言いかけると、慎也さんは手をつかんできました。
『こんなオバサンに何の用?』と聞くと、『オバサンになんか見えませんよ』と彼は言います。
彼女は同期の女性たちのことを思い出しました。オフィスのトイレから戻ってくる時に、変な厚化粧になっている事務職の女性を。季節限定のスナック菓子が入っているレジ袋を揺らし、疲れた顔で自転車を漕いでいる40代たちを。彼女たちは遥さんであり、遥さんもまた彼女たちの一部だと思っていました。しかし……
『40代の女性が一番輝いています』と慎也さんは続けます。『30代女性の”いつまでも主役は私”という図々しさもない。知識のなさを勢いで乗り越えようとする20代の愚かさもないんです』と。
マキさんは、彼の手を握り返しました。その日の夜に二人は飲みに行き、体を重ねました。彼との逢瀬は渋谷でした。かつては人が多く苦手だった渋谷が、大好きな街に変わった瞬間でした。
その週の金曜日、取引先からは「利率の引上げ」、営業本部からは「親会社の減枠」のOKをもらいました。慎也さんから『前祝いしましょう!』と誘われて渋谷で飲み、ホテルで身体を重ねているとき、遥さんは不安になりました。「案件が成功して、彼氏ともうまくいっている。なんだか怖いくらいだわ」と。
彼女は慎也さんの手を握りました。今の幸せから、転がり落ちないように願って。
しかし不安は、的中することになるのです。
急展開。二人の末路は
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