下校時に娘が行方不明になった原因は「1年生の自覚がなかった」から!?あんぐり……
パニック状態の長女を発見
帰宅予定時間から1時間以上も経っているけど、学校と学童どちらに電話をしても長女はいない。そうなると、登下校の道で何かが起こったんだ。
そう思った私は、すぐに家を出てくまなく探しまわり、ご近所さんに会う度に「うちの子、見ませんでしたか?」と声をかける。……いない。自宅から学校までは一本道なのに、どうしてこんなことが起きてしまったんだろう。
だんだん学校に近づいていくと、遠目からでも分かる異様な行動をしている子どもがいる。学校のそばを何度も往復して、学校をのぞいてみたり、しゃがんでみたり、なんだか落ち着かない様子。
あの子、何をやっているんだろう……。
近くまで行くと、ランドセルや上着の色、長女ちゃんが身に着けているものと似ている。もしかして!?
そう、長女だったんです。
すでに泣きそうな顔をしていた長女は、私の顔を見ると涙があふれだしました。なんでも、先生からはいつも通りの学童コースだと言われたのに、学童に行ったら登室しない予定になっていると言われて、どうしたらいいのか分からなかった、と。
このパニック状態であれば、もし不審者が「おうちに連れていってあげるよ」と声をかけたら、ついていくだろう。そんなことが頭によぎって、ひやっとする私。
その日は、どんよりとした曇り空で、今にも雨が降りそうな天気でした。長女の手は、すっかり冷え切っている。どんなに心細かっただろう……。
1年生の自覚がないせい?
いつも私達親子に寄り添ってくれる先生には感謝をしている。でも、子どもが登校したら、頼れる大人は先生だけだからこそ、このことは“なかったこと”にはしたくなかった。
連絡帳に直帰だと記載したのに本人に伝わっていなかったこと、学校に確認しても教室には誰もいない、の一言のみ。本人はどうしたらいいか分からず学校のそばで泣いていたこと。長女から聞き取ったことを一連にして、先生に伝えました。
「本当に申し訳ありません。私が伝え忘れていましたので、全ては私のせいです。でも、長女さんにはお母さまの方から、学童ではなく直接帰宅することをお伝えされていましたか?」
あれれ、なんだか不穏な空気。
長女には今朝どころか昨晩から「学童ではなく自宅に帰ること」を伝えていました。私がモヤモヤしていた点はそれだけではなくて、1時間以上も学校付近をウロウロするくらいなら、教室に戻って担任の先生に聞いてみることだってできたはず。「自分で判断ができなかったのかな」とは思うけど、まだ1年生になったばっかりだし……。
先生に思っていることや言いたいことは頭の中でぐるぐるしているのに、なぜか声がでない。
少し間をおくと、先生は自分の非を認めながらも諭すように一言。
「たくさんのお子さんがいらっしゃいますから、目が届かないこともあるので。本当にごめんなさいね。成長するにつれてしっかりしていきますが、もう1年生なので子どもに自覚させるのも大切ですよ」
開いた口がふさがらない……。教育現場が教員不足で疲弊しているのは百も承知。私も先生を責めるつもりで言ったつもりではないけど、このモヤモヤはなんだろう。
今となっては、「自分で判断ができなかったこと」に関しては、ADHDの特性でもある‟イレギュラーな出来事に対応できない“ということにイコールするのかな、と理解することもできます。
でもまぁ……ADHDの診断あるなしに関わらず、子どもが小さいうちや不慣れな環境下にある場合は、保護者や先生、周りの協力やサポートがより一層必要な時期なんじゃないかな、と実感しました。
この件は、長女は悪くない。全ての責任は、私を含めた大人たちにあり、猛省しています。
【編集部より】
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