岩井志麻子 整形美人はほんとうに「美人」なのか?
あいつは予備校や塾に通って有名大学に入った卑怯者だとか、罵る人達はあんまりいない。
自然治癒するのに病院や薬で病気を治そうとした軟弱者とか、悪くいう人もあんまり見聞きしない。
なのに、美容整形で美人になると必ず悪くいわれる。
美容整形は「ズル」なのか?
それは車やロープウェイ使って登山したとか、興奮剤によって新記録を出した、みたいな「楽した」「ズルした」「金で解決した」というニュアンスが漂うからかしら。
だけど美容整形手術だって痛いし耐える根性も要るし、泥棒した金ではなく真っ当に稼いだ自分の金でやるんだから、責められるいわれはない。違法の施術でもないしね。
韓国で美容外科医は「第二のお父さん」
私の今の夫は韓国人で、ご存じのように韓国は美容整形が大変に盛んかつカジュアルだ。
日本とちょっと、いや、かなり意識が違い、美容整形を受ける人は「お金があって」「美意識が高い」とうらやましがられ、本人も美容外科医を「第二のお父さん」と呼ぶ。
日本ではありえない病院の看板、広告もある。「今年も当医院からミス・コリア出ました」「当医院の実績。ミスソウル十人。ミス釜山五人」って宝くじ売り場か予備校か。
これ、日本だと「人気女優××子さんと同じ美容院に通ってる」「食べログで大人気の店の常連客よ」みたいな自慢になるもので、だからこそこそ隠れて行ったり、行ってるのに知らない振りをしたりはしない。
日本のプチ整形は韓国の整形に非ず
私は韓国でよく、真顔で聞かれる。「一応、タレントでしょ。なぜ整形しないの」……韓国だとあごの骨を削ったり鼻にプロテーゼ入れるくらいしなきゃ、整形とはいわない。
日本でいうプチ整形、注射やレーザー、さらにいえば元に戻せる埋没法の二重まぶた手術くらいじゃ、整形とはいわないのだ。つまり日本だと私は整形していることになり、韓国ではしてないことになる。
自己評価が低い美人は
そんな私は大掛かりな整形もしないけど、頭から否定もしない。美人とは全然、自惚れも勘違いもしてないけど、今の顔は私に相応しいと気に入ってるからだ。
銀座のママや芸能関係者が、「美人なのにおどおどしたり自己評価が低い子は、かなり整形してる。美人である状態に慣れてない。まだ顔と心が一致しない」みたいなことをいう。
私の顔と内面は、これでバランスが取れているのよ。その均衡を、今は保ちたい。
【岩井志麻子 おんな欲】
スポンサーリンク