純な片思いが「不倫」に堕ちて…。歪んだ愛で交わる彼と私は【エリート銀行員たちの不倫事情】前編
平凡な毎日を狂わせた出会いとは
所用で普段と違うフロアを歩いていたところ、カナデさん(仮名・48歳)から声をかけられたのです。
「カナデさんと出会ったのは、私がまだ新入行員の頃でした。メガバンクの営業店って、規模が大きい店はギスギスしがちなんですが、彼は大学で数学を専攻していたバリバリの理系だからか、周囲の雰囲気にのまれずに淡々と仕事をこなすタイプでした」
論理的で感情に流されないけれど、どこか温かみのある彼は、新人からもよく慕われていました。ミサさんも何度か飲みに連れて行ったもらったことがありました。
「私が先に異動して、それから十数年会っていませんでした。銀行員って同じ部署にいる時は親しくなるんですが、異動したら二度と会わないこともよくあるんです」
久しぶりの再会に、話が弾みます。当時から出世が噂されていたカナデさんですが、やはり本部の花形部署の次長をつとめていました。順調にいけば役員で、その風格は既に漂っていました。
「最近、銀行でもやっとオフィスカジュアルが浸透してきたんです。彼はきちんとセットされたグレーの髪に、黒いタートルネック、上品なチノパン…と、年齢をうまく味方につけていて、とても格好良かったです」
『よかったら、メシでも食わない?』と誘われましたが、ミサさんは迷いました。明日は息子のサッカーの試合でお弁当を作らなくてはいけないし、娘の塾の宿題も見なくてはいけないからです。そのことを考えて断ろうとした時、夫から先日かけられた言葉が蘇りました。『ミサは過保護だよ。もっと子供のこと信じても良いんじゃない?』と呆れた声で言われたのです。
「でも夫は『飲み会には全力投球だ!』とかバカなことを言って朝まで飲んで、週末はゴルフ。どうして私ばかり家のことをして我慢しているんだろう?という思いが湧き上がってきて、ついカナデさんの誘いを受けてしまいました」
この選択により、人生を大きく狂わせることになると知らずに。
▶二人でデート、迎える急展開
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