恵まれた主婦だったのに不倫に溺れ…。欲望の果てに「失った」その顛末とは(後編)
ジェクス ジャパン・セックスサーベイ2020によれば、浮気・不倫経験があると答えた男性は67.9%、女性は46.3%。40代女性の32.9%が「特定の人物1人と(現在も)している」と答えています。婚外恋愛は、決して遠い対岸の火事ではありません。
では、過去に不倫を経験した人たちは、その後どんな人生を歩んでいるのでしょうか。
相手との関係や自身の生活の変化について、女性たちのリアルをお伝えします。
【不倫のその後#10】後編
<<この記事の前編:恵まれた主婦だったのに不倫に溺れ…。欲望の果てに「失った」その顛末とは(前編)
不倫相手の「誠意」を信じてしまった…。そんな自分への怒り
「もう1年以上経つでしょ、連絡がなくなって」
ひとまずは付き合おうと思い言葉を返すと、
「うん。LINEも電話もブロックされてるし、会社で名前も出ないし、どうなっているのかわからないわ」
ソファに身を投げ出すようにしてゆり子は答える。転勤先の支社に電話をかければ所在の確認はできるが、拒絶の姿勢を見せている自分に対してパート勤めのゆり子がそこまでする勇気はないだろうと男性は思っているのかもしれなかった。
「あーあもう、どうしてあんなに貢いじゃったんだろう」
いつものようにゆり子は大げさに肩を落とす。その姿は、不倫相手の打ちひしがれた様子にすっかり流されて、「逃げられる可能性」をまったく考えていなかった自分への怒りのように感じた。
「ほんと、馬鹿だよね」
「……」
ゆり子が不倫相手にお金を渡していると知ったのは、関係が終わりを迎える気配を感じたゆり子からの告白だったが、あの頃、手を離れたお金が戻ってこない可能性より愛し合った男性が自分を捨てようとしている焦りのほうが強かったのを思い出す。
「あのときは、そうするしかなかったんだよ」
何度口にしたかわからない言葉をもう一度出すと、ゆり子は色のこもらない目でちらりとこちらを見た。
男から甘い言葉をかけられて、ホテル代まで出していたあの日… 次ページ