「悪い男…」イケメン銀行員と不倫に堕ちた、女性行員の愛と末路【エリート銀行員たちの不倫事情】後編

2024.04.27 LOVE

2人で飲みに行くことに

それは『朗報。あの子の処分、そんなに重くならなさそう』という短い一文でした。ただの業務連絡ですが、彼の気遣いや思いやりが伝わってきました。部下の処分が重くならないということは、キャリアにも影響がないということです。お礼のスタンプ送ると『お祝いに飲みに行かない?』との誘いが来ました。

「いつもだったら断っていたでしょうね。何度か同期からその手の誘いはありましたが、安心して飲むことができないんです。自分を蹴落とそうとしていたり、何か弱点を見つけようとしているんじゃないかっていう気になってしまいます」

銀行の人事には意外と属人的なところがあり、今回の部下の件も、同僚からの密告でした。

 

ランさんは、手に残ったハヤテさんの腹筋の感覚が忘れられませんでした。迷っていると彼から続けてメッセージが来ました。『同期にこんなにかわいい子がいるなんて知らなかった!知ってたら、もっと早く誘っていたのにな』と。

彼女は気がつくと肯定のスタンプを送っていました。後にこれらのやり取りが、全て見られてしまうことになるとも知らずに。

 

場所は西麻布にある、一軒家の焼き鳥屋でした。芸能人が住んでいたという豪邸を改装して、古民家風の居酒屋になっています。お野菜もお肉もどれも美味しくて、彼の話は新鮮で──彼は銀行の不祥事を管轄する部署で働いているため──あっという間に時間が過ぎました。

「子どもが生まれてから、こういう瞬間ってなかったなって思いました。とりあえずこれを食べようとか、私がこうしたら周りは嬉しいだろうなとか、そういうのばっかり考えていました」

 

ママが西麻布に来るなんて……しかも既婚者という、本来ならいるべきではない相手と。罪悪感が首をもたげましたが「それよりも彼と居たい」という気持ちが勝りました。

お店を出ると、ハヤテさんは手をつないできました。

「もちろんその手を振り払うこともできました。でもそれはしなかったんです。それは別に彼のせいでも、子どものせいでも、銀行のせいでもない。私の選択でした」

 

二人はホテルで身体を合わせました。彼ものは的確に彼女のかたちに合ったところを突いてきます。まるで以前から何度も交わって来たかのような錯覚を覚える行為でした。

「ソウルメイトとかスピリチュアルパートナーとか、ネットで見かけた時は胡散臭いなと思っていました。しかし実際に彼と過ごしていると、そんな気もしてくるんです」

まるで夢を見ているような気分で、二人はそれぞれの家路につきました。

 

それが彼を見た、最後でした。

 

次の日 会社にいくと、なんと… 次ページ

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