「あぁ、こんな場所でするなんて…」秘密の不倫、陶酔の果てに全て失った女性の末路は【エリート銀行員たちの不倫事情】後編
時すでに遅し。既読が5人ついています。「業務中なのに、LINEなんて見てるんじゃないわよ」と課長らしい顔を作ってみたものの、すぐに引っ込めて「送信取消」を行います。この課長という役職も長くないかもしれない……そう考えた時、ふと「独立」という言葉が頭に浮かびました。
翌朝、オフィスに出社すると、すぐに支店長に別室に呼ばれました。LINEグループ内の誰かがご丁寧に本部に通報したようで、近いうちにリスク管理部が調査に来るそうです。
「私も彼も、まず出世はないでしょうね。彼には申し訳ないですが、ちょうど良かったかもしれません。家賃100万円のマンションも中は住みにくそうだし、独立について色々調べていると茨の道だって分かったんです。他人を羨ましがる癖をやめて、軸を持たないといけないと気づくことができました」
彼は特に怒った様子もなく、電話越しに謝り倒すユリさんに『別に良いですよ。僕も送り間違いは何度もしたことがあります』と淡々としていました。彼の一族は病院を経営していて、会計士資格を持っている彼は「監査役員」としての収入があり、銀行員の収入はあまりアテにしていないようです。
「40歳を過ぎた今、自分にとって本当の幸せは何か、軸を作り直そうと思います。人生はいつだってやり直せるし、今が生きている中で一番若いですから」
そう語るユリさんの笑顔には、同僚の独立を妬んで居酒屋の隅でビールを飲んでいた頃の面影は、少しもありませんでした。
この記事の前編はこちら▶▶独立する同僚を見てモヤモヤしているところに、イケメンが現れて…。自分の軸を持てない女性の末路
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<文/綾部まと>