「スーパー台風襲来」異常気象で変わる未来「夏の甲子園もなくなる⁉」【池上彰の未来予測・後編】

2024.07.22 WORK

夏の甲子園はなくなり夏は日没後に外出する生活になる!?

気候変動の影響で、毎年夏になると、熱中症で救急搬送されたり、亡くなってしまう人の数も増えています。

 

「2021年度からは、環境省と気象庁が『熱中症警戒アラート』を全国で運用しています。気温、湿度、輻ふく射しゃ熱ねつ(日差しなど)、風などからなる『暑さ指数(WBGT)』に基づき、熱中症の危険性が高い日に情報を発表し、人々に警戒を呼び掛けるというものです。

 

小・中・高校などの教育現場でも、毎年すでに5000件に上る熱中症が発生し、まれに死亡者も出ています。そこで熱中症警戒アラートの暑さ指数を基準に、体育の授業や部活動、運動会といった屋外での活動を実施するかどうか、判断する学校が増えています。熱中症警戒アラートが出た夏の暑い日には休み時間に運動場で遊ばないよう、子どもたちに呼び掛ける学校は、これからも増えることが予想されます」

 

学校の屋外活動はもちろん、真夏に開催されるあの一大イベントにも大きな影響を及ぼしそうだ。

 

「甲子園で開催されている夏の『全国高校野球選手権』でも、今後は、そもそも夏に開催していていいのかという議論が起きるでしょう。2040年の夏の全国高校野球選手権(甲子園)は、ドーム球場でエアコンをつけてるか、夏の大会と春の大会とを統合して春だけの実施とすか、といった形になっているかもしれません。

 

夏に日本以上の暑さを記録する中東の国々では、夏の昼間は外に出ない生活を送っています。昼間に外を歩くなんて命に関わりますから、外出するのは日没後です。このまま地球が『沸騰』し続ければ、日本でもドバイのような夏の生活を送ることになる可能性もありそうです」

 

異常気象だけでなく、地震大国でもある日本は、常に天災と隣り合わせである。悲観的にならざるをえないが、それでも、日本で生活をしていくうえでは、リスクを知り正しく備えること、が未来を希望あるものに変える唯一の方法なのかもしれない。

 

「南海トラフ」「富士山噴火」……さらなる災害と未来予測も

また書籍では、「2040年までに『南海トラフ地震』 『首都直下地震』『富士山の噴火』が発生する」「3つの地震が同時に起こる可能性はきわめて低いが安全のために経済活動は麻痺する」などの未来の災害予測を踏まえて、日本人が最低限知っておくべき備えや知識についても紹介している。六本木ヒルズの地下には、巨大な倉庫があり、約10万食の食料や毛布、簡易トイレ、紙おむつなどが備蓄されています。災害時に逃げ込めば、これらが提供されるという都市伝説のような本当の話も!

 

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『池上彰の未来予測 After 2040』(池上彰著/主婦の友社刊)

<著者プロフィール>

1950年、⻑野県松本市⽣まれ。慶應義塾⼤学卒業後、1973年にNHK⼊局。報道記者としてさまざまな
事件、災害、消費者・教育問題などを担当。1994年からは11年にわたりニュース番組のキャスターとし
て「週刊こどもニュース」に出演。2005年よりフリーのジャーナリストとして執筆活動を続けながらテ
レビ番組などでニュースをわかりやすく解説し、幅広い⼈気を得ている。また、5つの⼤学で教鞭をと
る。『池上彰が⼤切にしているタテの想像⼒とヨコの想像⼒』(講談社)『池上彰のこれからの⼩学⽣
に必要な教養』(主婦の友社)など著書多数。

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