夫婦にとって「セックス」とは? ドラマ『1122 いいふうふ』で突きつけられた「夫婦でいること」の意味【後編】
【セックスレス】セックスが嫌というよりも、夫としたくない
セックスレスになったきっかけの多くは「出産」。育児と家事でヘトヘト。さらに子どもの夜泣きのダブルパンチで気力も体力もゼロ。セックスどころじゃないのに夫が求めてきて、拒否したら不機嫌な態度をされる……。そんな声をよく聞きます。
専業主婦で一児の母である美月は、慣れない育児に苦戦中。公園でお友だちとのトラブルがあり、占いに心酔する義理の母親からのウザい電話に疲れて、夫に助けを求めます。すると「育児は美月の担当でしょ」「俺は働いて稼いでる。それが俺の役割だから」と昭和かつモラハラワードのオンパレード!
子どもが夜泣きをしても「俺じゃ無理だよ」と家にいても育児を拒否。そんな夫ですが、食器を洗っている最中にちゃっかり「生理終わった?」と聞くシーンも。妻にひどい態度を取っておいてセックスだけやろうなんて、なに考えてるの???
夫に心理的安全性を感じない美月は、生け花教室で出会った優男のイケメン・二也と身体の関係を持ちます。夫婦ではセックスレスですが、セックス自体が嫌なわけではないんですよね。
【不倫】近所でデートをしてバレる
子どもがいる中での不倫となると、あまり遠出はできませんよね。デートでは家の近くの場所を選んでしまいがちですが、楽というメリットがある反面、バレるリスクが倍増するというデメリットも。美月は子どもも一緒に、二也と公園でデートを楽しみます。その姿を夫に目撃されてしまい、不倫がバレかけることに……。
不倫は慣れてくると、だんだん行動が大胆になってきます。美月と二也はホテルに行ったときに、二人とも髪を洗っていました。これではシャンプーの匂いでバレてしまいます。ほかにもスマホや下着など、次々とバレるシーンが。不倫界隈ではサイレントモードにできるメッセンジャーアプリを使ったり、LINEで表示名を変えたりと、様々な工夫がされています。このドラマの登場人物たちは、そのような細工はなにもしていません。要所要所で「詰め、甘っ!」と叫んだ視聴者も多いのではないでしょうか。
とはいえ、いくら普段使うアプリは使わず、活動圏内ではなるべく会わないなど努力しても、家での「うきうきモード」は隠せません。どれだけリスクを軽減しても、やはりバレてしまうものなのかもしれませんね。
【夫婦関係】「私たちが夫婦でいるのはなんのため?」と分からなくなる
最も分かり合うべきである夫婦なのに、まったく分かり合えない。むしろ家にいる時間が苦痛だと感じることもありますよね。作中でも一子が「私たちが夫婦でいるのはなんのため?」と自問自答するシーンがあります。
仲のいい夫婦を見ると「こうあらねば」という理想と現実にはさまれてしまい、つらくなってしまいます。セックスレスの解消や、夫婦関係の改善だけがすべてではありません。幸せのかたちは人それぞれなので、義務感よりも「こうありたい」という願う姿に近付いていけるといいですね。
作中のラストではそれぞれの登場人物が、自分なりの幸せを見つけています。本記事やドラマを参考に、読者のみなさんが自分にとっての心地よい夫婦のあり方や、幸せな生き方を見つけることができることを祈っています。
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〈文/綾部まと〉
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