東大の夏休み。本来はお金がかかることが、まるっと無料に!「知的なお得」を東大生が享受できるのはナゼ?
東大生の夏休み
今は2年Sセメスター(いわゆる前期)が終わって、夏休みに入りました。夏休みでも、東大はたくさんの学びを与えてくれています。
夏休みに行われる集中講義はいくつもあるし、9月には2泊3日で山中湖のほとりの寮に行って森林の中で過ごしてストレス値を下げる講義があるし(不思議な講義だ)、競争法のシンポジウムや府中刑務所で行われるワークショップの案内も届いたし、去年はDuolingo(※)の経営者が東大で講演をしました。
何かつくってみたいけど「アイデア・技術・チームがない」という学生を支援するプログラムやAI起業サマープログラム、アイデア創出ワークショップなど、さまざまなプログラムも用意されています。
この辺りは起業に偏っているため経済学分野の学びを深めることはできませんが、貴重な機会として参加を希望しています。
しかも、これらは全て無料。多くの学びを無料で得られ、しかも労働力として搾取されるようなことがないのが、学生のよいところの一つだと感じています。
一般に有料で公開されているサービスも東大が会費を負担したり、企業側が優遇していたりすることで、学生は自己負担なしで使うことができることがあります。プロが個人で提供するプログラミングのレシピを見ることができるAxross recipe for Bizもつい先日から利用できるようになりました。夏休みのプログラミング学習や開発に役立たせることができます。
去年から参加しているAI系のコミュニティも次から次へと勉強会を催してくれていて、法人登記や営業の方法、契約書のリーガルチェックなど学ぼうと思えばずっと学ぶことができます。これも常に無料。
5月ごろから話題になった国立大学の授業料値上げ問題からも分かるように、東京大学にはお金がありません。だから、無料で提供される素晴らしい学びの一部は、事業によって利益が出ている研究室や企業の寄付によって成り立っています。
昔、駒場キャンパスの中に学生用の寮があった頃、日本で売られ始めたばかりだったビールを寮内の食堂で提供するために学生が購入しようとしたところ、メーカーが「東大生だからいいよ」と無償で提供してくれていたという話を本で読んだことがあります。古来より、東大の学生は社会に支えられているようです。
※「Duolingo」編集部注:言語学習の専門家によって設計され、世界中で数億人に愛用されている無料アプリ。ゲーム感覚で40以上の言語が無料で学べると人気。
▶続きの【後編】を読む▶ さまざまな特別講義で知的好奇心と探究心を満たす東大生。そのなかには思わず、さんきゅう倉田さんも「こ、こわい…」とひるむほどの、面白い学生も。東大生には「変わり者」が多いのでしょうか? __▶▶▶▶▶
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