鳥羽周作シェフいちおし「ワンパンペスカトーレ」なんでこんなにおいしいのか「ものすごく納得する秘密」とは

2024.09.05 FOOD

毎日毎日、くったくたになって帰宅する働く40代50代女性。いま必見の1冊が登場です。

「どのレシピを作っても全部驚く、おいしすぎて簡単すぎるから」。コロナ禍のステイホーム時期に惜しげもなく自らの秘伝レシピを公開し、一気に「プロのレシピ公開」ブームを作り上げたシェフ・鳥羽周作さん。予約が取れなさ過ぎて名高い代々木上原の「sio」のほか、青山の「Hotel’s」、丸の内・天神の「o/sio」など全国に鳥羽ワールドが広がっています。そんな鳥羽さんの最新刊が『おかえり！パスタ』（1600円＋税／CCCメディアハウス）。55ものレシピを収録したこの本に込めた思いを伺いました。

ありそうでなかった「3つの章立て」。込められた鳥羽シェフ流の「自信」とは？

今回の書籍は「ワンパンパスタ」「定番パスタ」「レストランパスタ」の3つの章からできています。一般的な料理本ならば「トマトベース」「オイルベース」など材料順で記載しそうなものですが、なぜ作り方と提供シーンで分類したこの構成に？

「僕にとってパスタはとても大事な料理なんです。いちばん最初に料理人として修行したお店はパスタの神様のようなお店でした。自分でもパスタが好きだし、youtubeでもたくさんレシピを出してきて、そろそろ期が熟したタイミングなので、今回は厳選した55のレシピを解像度高く作り込みました。コロナ禍で流行った『ワンパンパスタ』は若い子に需要があります。彼女に作ってあげるための『定番パスタ』、よそゆきの『レストランパスタ』。あらゆるシーンやニーズを網羅した結果、この1冊の3つの章立てになりました」

日本人から見た定番パスタといえば、ペペロンチーノ、ナポリタン、カルボナーラでしょうか。鳥羽シェフの定番としても人気のこれらはどれも、レシピ収録にあたっては再現性と成功率の高さにこだわったそうです。中でも「プロのレシピ」の章は、実際にお店で出しているものを「オープンソース化」した貴重なレシピです。とはいえ、やっぱりまず気になるのは、鳥羽シェフならではの「ワンパンパスタ」。

ワンパンパスタは「手抜き」ではない。極めて合理的、ロジカルな料理です

「ですよね～（笑）。『ワンパンパスタ』のよさは洗い物の少なさだと思われがちですが、じつはほぼ失敗しない点のほうが魅力です。というのも、ゆでるときに味が入るので、味付けが9割決まるから。めんつゆ＆チーズがいちばん優秀で、最後にバターを入れてチーズをかけるだけなのでまず失敗しません。ファジイな部分がなく、ゆでるだけで美味しいところが『ワンパンパスタ』の魅力、これはボンゴレの考え方といっしょですよね。味を吸わせながら作るので失敗が少ないんです」

中でもとくに注目のレシピは？

「新作もありますが、僕のプッシュは『ワンパンペスカトーレ』です。これ、エバラの鍋調味料『プチッと鍋』シリーズの『あさりとホタテの旨塩鍋』とトマトジュースで作るのですが、自分で食べてもレストランかと思うくらいおいしい。これを作るためだけにこの本を買ってほしいくらいにおいしいです。もう一つは、表紙にもなった『YouTubeで大ヒット！無限パスタ2』。コロナ禍にこの、めんつゆ・塩こんぶ・バター・チーズという絶対王者のベースを開発して、SNSでバズらせたくて上に目玉焼きを載せたら、軽く200万再生を突破したレシピです」

では、さっそくそのレシピを。