鳥羽周作シェフ「絶対幸せにします」。度肝を抜かれた「ナポリタンを超えたナポリタン」その理由は
毎日毎日、くったくたになって帰宅する働く40代50代女性。いま必見の1冊が登場です。
「どのレシピを作っても全部驚く、おいしすぎて簡単すぎるから」。コロナ禍のステイホーム時期に惜しげもなく自らの秘伝レシピを公開し、一気に「プロのレシピ公開」ブームを作り上げたシェフ・鳥羽周作さん。予約が取れなさ過ぎて名高い代々木上原の「sio」のほか、青山の「Hotel’s」、丸の内・天神の「o/sio」など全国に鳥羽ワールドが広がっています。そんな鳥羽さんの最新刊が『おかえり!パスタ』(1600円+税/CCCメディアハウス)。55ものレシピを収録したこの本に込めた思いを伺いました。
僕が作る料理は「課題を解決する」。家庭が抱える「うまくいかない原因」を洗い出す解像度の高さが違うから
ワンパンパスタ、カルボナーラをはじめ、「トバいレシピ」ですぐ名が挙がる代表作品を複数擁する鳥羽シェフ。この『ナポリタンを超えたナポリタン』も超バズ人気レシピの1つです。
「これは、ナポリタンが油っぽく感じるという課題を解決した作品です。油っぽさの原因は、油と水の比率が、たとえば5:5がベストのところ、調理中の水分の蒸発で7:3などに崩れて油が前に出てくることです。それを防ぐために仕上げにバターと生クリームを入れ、ケチャップの酸を和らげつつ保湿しているのが一つの解決。もう一つの課題は、麺がアルデンテではないのでぐにゅっとする点で、野菜のシャキシャキ感を加えることで解決しています」
料理を失敗するという事象を「課題」と捉えて「解決」する。これ、意外とありそうでなかった視点ですよね。
「レシピのよさって、距離と時間を解決することだと思います。自分がその場に行って作らなくても、いろいろな人においしさを届けられる。そのためにクリアしないとならないハードルが食材なので、今回は食材と道具が簡単に手に入ることを超重視しているのです」
なるほど、料理を始める前の段階にすでに課題があるというのは事実で、たとえば個人的にはケッパーが手に入らないと言う理由で作れなかったパスタもありました。
「そういうハードルはほぼ除去されています。さらに保証しているのが再現性の高さ。これらもこの2、3年でつぶさに観察して解決しました。僕がレストランを始めて6年ほどですが、その集大成と言えます。1冊ぜひお手元にお持ちください、絶対幸せにします」
ナポリタンを超えたナポリタン/誰もが知るナポリタンの、さらにワンランク上を行く味に!
「このレシピで作るナポリタンは、味が間違いないのはもちろんのこと、パスタがしっとり仕上がるのが特徴。これは最後に加えるバターと生クリームが保湿の役割を果たしてくれるため。野菜はシャキシャキとした食感を残すべく、加熱しすぎに注意しましょう」
■材料(1人前)
パスタ(スパゲッティーニ1.7mm)100g
マッシュルーム 3個
ピーマン 1/2個
玉ねぎ 1/4個
ソーセージ 4本
ピュアオリーブオイル 10g
塩 ひとつまみ
ケチャップ 20g
仕上げ
ケチャップ 20g
バター(無塩)10g
生クリーム 15g
■作り方
1 マッシュルームをスライスし、ピーマンを縦に、繊維に沿って細切りにする。玉ねぎを繊維に沿って細切りにする。ソーセージを斜めのそぎ切りにする。
2 鍋にたっぷりのお湯と1%量の塩(ともに分量外)を入れて火にかけ、沸いたらパスタを入れて8分間ゆでる。
3 フライパンにピュアオリーブオイルを引き、ソーセージを炒める。香りが立ってきたら玉ねぎ、マッシュルームを加え、軽く塩をふる。具材に油がまわり、たまねぎの硬さがまだ残っているくらいのタイミングでピーマンを加え、さらに炒める。
4 全体に油がまわったらケチャップを加える。この時、ケチャップ自体に火を入れて酸味を飛ばし、香ばしさを出すためにフライパンの鍋肌に直接落とすとよい。火を止め、全体を混ぜ合わせる。
POINT/ケチャップは具材の上でなく、鍋肌に直接落として香りを立たせる!
5 パスタがゆで上がったら、ザルなどに上げてから4のフライパンに入れ、火をつける。全体を混ぜてなじませたら、仕上げのケチャップを加え、さらに混ぜる。
6 全体がよく合わさったらバター、生クリームを加え混ぜ、よくなじんだら火を止め、器に盛りつけて完成! お好みで黒コショウや粉チーズ(ともに材料外)をかけて味わう。
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