「いいお母さん」だったのに不倫…。魔が差して、快楽のあとに女性が見たものとは(後編)
不倫を「探られる」不安
「あなたのことじゃないよ」
この言葉を口にするのは何度目か、その日も真美は切羽詰まった声で電話をかけてきて「ママ友の◯◯さんが◯◯さんと不倫について話したって言っていた」と動揺を見せていた。
「うん……」
「あなたの名前が出たわけじゃないし、ただの世間話だったんじゃない?ほら、芸能人の◯◯が不倫していたってニュースが昨日あったじゃない」
と続けると、真美は無言でため息をついた。
ママ友たちのちょっとした話題でも極端に「自分のことだ」と当てはめる思考に真美が苦しんでいるのは、婚外恋愛や浮気についてからかわれてからみんなと距離を取り出したことが、逆に自分への疑いを強くした可能性から逃れられないからだった。
第三者として客観的に見れば、退店する自分を一度見られたくらいでそこまで思い詰めることに違和感があった。だが、正直に「何でそんなにみんなの話を気にするの?」と尋ねたとき、
「あの人たち、人の噂が大好きなのよ。これまでも話してきたでしょう?バイトしてるってわかってからいきなり時給の額を聞いてきたり、あの人がイケメンとか何で知ってるのかも怖かったし、不倫をでっち上げてでも私をネタにしたいのがよくわかった」
だから探られているのかも、と揺れる口調で真美は一気に答えた。
実際に不倫をしていたからこそ、その疑惑を強くはねのけることができないのだ。「自分が不倫をしていた証拠」なんて深い付き合いのない人間が手にする可能性は低いのに、自分と違って広い世界で活動する女性たちの行動力を知っている真美は、店主の男性に「私のことを尋ねるかも」とまで想像していた。
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恋愛相談家
ひろたかおり
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